恩赦法

恩赦法の概要

恩赦法（おんしゃほう）は、日本の法律であり、恩赦に関連する規定を定めています。この法律は、罪を犯した者に対する特定の法的措置を扱っており、さまざまな種類の恩赦が存在します。恩赦は、主に大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除、そして復権の五つのカテゴリに分けられます。

大赦

大赦は、政令を通じて罪の種類を定め、それに該当する有罪の判決を受けた者に対してその効力が失われるというもので、恩赦法第2条と第3条に基づいています。この場合、受刑者は刑務所から釈放され、また、刑事事件の被告人に対しては免訴の判決が下されます。さらに、捜査が進行中の者については、その捜査も終了することになります。

特赦

特赦は、有罪判決を受けた特定の者に対して、その判決の効力を無効にする措置です（恩赦法第4条と第5条）。ただし、特赦は、有罪の判決を受けていない者には適用されません。

減刑

減刑は、刑の言渡しを受けた者に対して行われます。この減刑には、一般減刑と特別減刑の2つの種類があります。一般減刑は政令により罪や刑の種類を定めて行われ、刑が軽減されるのです。一方、特別減刑は特定の者に対して行われ、刑の減軽や執行の減軽が受けられることがあります（恩赦法第6条および第7条）。また、執行猶予中の者に対しては、猶予期間を短縮する手段も存在します。

刑の執行の免除

この恩赦の形態は、刑の言渡しを受けた特定の者に対して適用されますが、刑自体の効力は残ります。言い換えれば、過去の前科は消えませんが、刑の執行は免除されるのです（恩赦法第8条）。また、執行猶予中にある者には適用されません。

復権

復権は、刑の言渡しを受けたことに伴い喪失した資格を回復させる手続きであり、一律の政令（一般復権）または特定の者への個別の手続き（特別復権）として実施されます。復権は、刑の執行を完了していない者や執行が免除された者には行われないため、条件が厳格です（恩赦法第9条および第10条）。例えば、選挙違反によって公民権が停止されたケースでは、過去に復権の対象となったことがあります。

恩赦の実施方法

恩赦はすべて内閣の閣議によって決定されます。これに関しては日本国憲法第73条第7号に基づいています。恩赦の対象として、政令恩赦と個別恩赦の二種類があります。

政令恩赦

政令によって罪や刑の種類を定めた一律の恩赦を政令恩赦と呼び、大赦・減刑・復権が該当します。通常、国家的な慶事の際に行われることが多いです。

個別恩赦

特定の者に対する個別的な審査を経て行われる恩赦で、特赦や減刑、刑の執行の免除、復権があります。中央更生保護審査会に提出された上申が認められた場合、この恩赦が実施されます（恩赦法第12条）。さらに、個別恩赦には常時行われる常時恩赦と、特定の条件を満たした場合に限って行われる特別基準恩赦があります。この特別基準恩赦は、政令恩赦とは無関係に規定されることもあります。

関連項目

プラカード事件

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