恵本裕子

恵本裕子のプロフィール

恵本裕子（えもと ゆうこ）は、1972年12月23日生まれの日本の柔道家であり、1996年のアトランタオリンピックで女子61kg級の金メダルを獲得しました。彼女の段位は四段で、身長は163cmです。北海道の旭川市出身で、柔道の道を歩むことになった彼女の成長過程は非常に興味深いものでした。

幼少期から高校時代の経歴

恵本は小学校から中学校まで、運動に親しみながら成長しました。旭川市立明星中学校から旭川南高校に進学してからは、初めてテニス部に入部しましたが、蚊に刺されることが嫌になり、短い間で辞めてしまいました。その後、担任の先生がラグビー部を勧誘すると、彼女は女子も入部できるかどうか尋ねましたが、傷ができることを懸念され断られました。

恵本は、柔道を始めたきっかけについて次第に強い意識を持つようになりました。高校1年生の秋に柔道を始めると、一ヶ月後に市の新人戦で56キロ級優勝を果たしました。その才能は開花し、高校2年生では全道大会61キロ級で優勝し、また春の全国高校選手権でベスト8に進出しました。高校3年生では、全日本体重別選手権大会でベスト8となり、住友海上のさわやかホープ賞を受賞しました。

プロの道へ

恵本は、高校卒業後に短大に進学し、警察官になることを希望していましたが、道場で持田典子コーチに目をかけられ、住友海上女子柔道部に入部しました。彼女は、コーチからの厳しい指導のもと、急速にスキルを高めていきました。

1994年に初めて選抜体重別で優勝し、その後も数々の大会で好成績を収めました。しかし、1995年のフランス国際では、世界チャンピオンであるベルギーのジェラ・バンデカバイエと対戦し、5位に終わりました。さらに、世界選手権では初戦で早々に敗北し、悔しい思いをしました。しかし、アジア選手権で3位に入り、オリンピック出場権を手に入れました。

1996年アトランタオリンピック

1996年のアトランタオリンピックでは、恵本はわずか8年の柔道経験で金メダルを獲得しました。準決勝ではアフリカ出身の選手を下した後、決勝戦ではベルギーのバンデカバイエに勝利し、見事な金メダルを手にしました。この際、「オリンピックには神様がいました」と語るほどの成功を収めました。

引退後の生活

試合を通じての経験を活かし、恵本は1998年に強化選手を辞退し、第一線から退きました。1999年には韓国の柔道家と結婚し、その後はソウルで生活を始めました。彼女は母親となりつつ、教育や後進の指導にも関わっていくことになります。

2016年には、漫画『JJM 女子柔道部物語』の原作を担当し、自らの柔道に対する情熱を別の形で表現しました。恵本裕子の人生と柔道への情熱については、今後も多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

もう一度検索