悪人に平穏なし

悪人に平穏なし (No habrá paz para los malvados)

エンリケ・ウルビス監督による2011年のスペイン映画は、重厚なサスペンスドラマとして、観る者を深く引き込む作品です。マドリード列車爆破テロ事件を背景に、一人の刑事の堕落と、彼が偶然に遭遇する巨大な陰謀が描かれます。

あらすじ

かつては特殊部隊に所属していた優秀な刑事、サントス・トリニダ。しかし、今は酒に溺れ、失踪者捜査課に身を置く彼は、ある夜、バルで些細なことから3人を射殺してしまいます。事件の証拠隠滅を図る中で、彼は店の防犯カメラに記録された映像から、大規模な犯罪計画の存在に気づきます。

殺人事件の捜査を担当することになったチャコン判事とレイバ刑事は、事件の背後にイスラーム系組織によるテロの可能性が潜んでいることを突き止めます。サントスが追う犯罪と、判事たちが追うテロ計画。それぞれの点が繋がり始めたとき、物語は予期せぬ方向へと進んでいくのです。

キャスト

サントス・トリニダ: ホセ・コロナド（手塚秀彰）
主人公。堕落した刑事。
ロドルフォ刑事: ロドルフォ・サンチョ（佐々木啓夫）
サントスの相棒。
チャコン判事: エレーナ・ミケル（恒松あゆみ）
殺人事件の捜査を指揮する判事。
レイバ刑事: フアンホ・アルテーロ（佐々木誠二）
チャコン判事の同僚。
オンティヴェロス: ペドロ・マリア・サンチェス（真矢野靖人）
中央情報局部長。

作品の魅力

本作の魅力は、何と言ってもそのリアリティ溢れる描写と、複雑に絡み合うプロットです。主人公サントスの人間的な葛藤、事件の背後に潜む巨大な陰謀、そして、それぞれの登場人物の思惑が、緊迫感あふれる映像とともに描かれています。

また、2012年のゴヤ賞では、作品賞、監督賞、脚本賞、主演男優賞など、最多6部門を受賞。その完成度の高さは、批評家からも高く評価されています。

リメイクの可能性

2012年には、シルベスター・スタローンがハリウッドでのリメイクに興味を示したというニュースも報じられました。もしリメイクが実現すれば、新たな解釈が加わり、さらに多くの観客に本作の魅力が伝わることになるでしょう。

外部リンク

悪人に平穏なし - allcinema
* No Rest for the Wicked - IMDb（英語）

もう一度検索