悪夢探偵

悪夢探偵

塚本晋也が手掛けた小説、およびそれを原作とした映画シリーズ。他者の夢の中へ入り込むという異能力を持つ主人公「悪夢探偵」が、現実世界で発生する不可解な事件の真相を追うサスペンス作品として描かれています。小説は『悪夢探偵』とその続編『悪夢探偵2 怖がる女』があり、いずれも塚本監督自身の手により映画化されました。

ストーリー概要

物語の中心にいるのは、他人の夢の世界に入り込む特別な能力を持つ影沼京一、通称「悪夢探偵」です。彼はその特異な力を用いて、常識では測れない事件に関わっていきます。

『悪夢探偵』

現場経験が浅い若手女刑事、霧島慶子が担当することになったのは、不可解な死を遂げた連続殺人事件でした。被害者たちが皆、何か夢を見ながら死に至ったらしいという証言や、死の直前に携帯電話で「0（ゼロ）」と名乗る人物と通話していた記録から、事件の鍵が「夢」にあると推測されます。慶子は、他人の夢に入り込めるという都市伝説めいた存在、「悪夢探偵」の噂を耳にし、彼に協力を仰ぐことを決意します。

『悪夢探偵2 怖がる女』

悪夢探偵こと京一のもとに舞い込んだ新たな依頼は、悪夢に悩まされ眠れない女子高生、間城雪絵からのものでした。雪絵は、異常なほどに臆病な同級生・菊川夕子を体育館に閉じ込めてしまったことがきっかけで、菊川が不登校になり、さらに自身の悪夢に現れるようになったと訴えます。一度は雪絵を突き放す京一でしたが、彼女の周囲で次々と異変が起こり始めます。京一自身の過去には、「怖がる女」となって幼い彼を残し自ら命を絶った母親・逸子の存在がありました。菊川を通して母の抱えていた恐怖を知りたいという思いから、悪夢探偵は再び他者の悪夢へと足を踏み入れます。

登場人物

影沼 京一（悪夢探偵）
本作の主人公。他者の夢へ潜入する特別な能力を持ち、その力で事件に関わります。

霧島 慶子
現場での経験が少ない女刑事。ある事件を追う中で悪夢探偵の存在を知り、捜査への協力を求めます。

映画化

小説版は、作者である塚本晋也監督自身によって映画化されています。

映画第1作 『悪夢探偵』

2007年1月13日に公開されました。塚本晋也監督にとって長編10作目にあたります。主演は松田龍平が務め、女刑事・慶子役にはhitomiが起用され、彼女にとってこれが映画初出演となりました。塚本監督は、本作において監督だけでなく、脚本、撮影、美術監督、編集、プロデューサー、そして出演（謎の人物「0」役）と多岐にわたる役割を兼任しています。

主なキャスト（第1作）

影沼京一：松田龍平
霧島慶子：hitomi
若宮刑事：安藤政信
0（ゼロ）：塚本晋也
大石恵三：原田芳雄
関谷刑事：大杉漣

主なスタッフ（第1作）

監督・脚本・撮影・編集・美術監督：塚本晋也
脚本：黒木久勝
音楽：石川忠
主題歌：フジファブリック「蒼い鳥」

映画第2作 『悪夢探偵2』

2008年12月20日に公開。塚本晋也監督にとって11作目となる長編映画です。主演は前作に引き続き松田龍平が務めました。本作は、ストーリーとしても前作の続編にあたる、塚本作品としては初の試みとなりました。

主なキャスト（第2作）

影沼京一／悪夢探偵：松田龍平
間城雪絵：三浦由衣
菊川夕子：韓英恵
影沼逸子：市川実和子
影沼滝夫：光石研
間城貴理子：内田春菊

主なスタッフ（第2作）

監督：塚本晋也
原作：塚本晋也『悪夢探偵2 怖がる女』（角川文庫）
脚本：塚本晋也、黒木久勝
撮影：塚本晋也、志田貴之
* 音楽：石川忠、川原伸一

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