悪役令嬢後宮物語

悪役令嬢後宮物語

『悪役令嬢後宮物語』は、涼風氏によるオンライン小説であり、それを基にした書籍作品です。2012年2月より小説投稿サイト「小説家になろう」で連載が開始され、アリアンローズ（フロンティアワークス）から書籍版が2013年8月から2019年12月にかけて刊行されました。本作は、悪役令嬢を主人公とした作品群の中でも、初期に商業化された作品として知られています。

2014年3月に一時更新が停止されましたが、約1年4ヶ月後の2015年7月に連載が再開されました。2016年2月には第一部が完結し、2019年11月からは第二部が開始されています。

4巻の発売時には舞台化も発表され、2016年9月末から10月初旬にかけて、東京のサンモールスタジオで上演されました。また、2018年11月からは晴十ナツメグ氏によるコミカライズが電子書籍ストアで配信され、2021年6月からは鳥屋氏によるコミカライズ『悪役令嬢後宮物語～王国激動編〜』も配信されています。これらのコミカライズ作品は、フロンティアワークスから紙媒体でも刊行されています。

あらすじ

物語は、クレスター伯爵家の長女ディアナ・クレスターが、後宮入りするところから始まります。彼女は『氷炎の薔薇姫』『社交界きっての悪女』という悪名を持っており、正妃の座を狙っていると噂されています。しかし、本当は優しく美しい心の持ち主であり、後宮や正妃の座を望んでいません。ディアナは、素性を隠して『ディー』として後宮にいるシェイラと交流を深めるうちに、友情を育んでいきます。

エルグランド王国の若き国王ジュークは、情熱的で不正を許さない性格ですが、世間知らずな面もあります。ディアナに対して当初は敵意を抱いていましたが、ある出来事をきっかけに彼女を信頼するようになり、君主として成長していきます。その一方で、新興貴族の娘シェイラに一目惚れし、彼女を気遣うあまり暴走し、ディアナの苦労を増やすことになります。

シェイラは、幼い頃に両親を亡くし、叔父に乗っ取られた家から後宮に売られるようにして入ってきました。ディアナの本質を見抜いた数少ない人物であり、ディアナや『ディー』を心から信頼しています。

主な登場人物

ディアナ・クレスター: クレスター伯爵家長女。悪名高いが、心優しい女性。
ジューク・ド・レイル・エルグランド: エルグランド王国の若き国王。
シェイラ・カレルド: 新興貴族カレルド男爵家令嬢。ディアナを信頼している。
カイ: フリーランスの裏稼業の人間。ディアナの協力者。
デュアリス・クレスター: クレスター伯爵家当主でディアナの父親。
エリザベス・クレスター: クレスター伯爵夫人でディアナの母親。
エドワード・クレスター: クレスター伯爵家の嫡男でディアナの兄。
リタ: クレスター家に仕える侍女。ディアナの友人であり姉のような存在。

書籍情報

小説: 涼風（著）・鈴ノ助（イラスト） 『悪役令嬢後宮物語』 フロンティアワークス〈アリアンローズ〉、全8巻
漫画:
涼風（原作）・鈴ノ助（キャラクター原案）・晴十ナツメグ（作画） 『悪役令嬢後宮物語』 フロンティアワークス〈アリアンローズコミックス〉、全2巻
涼風（原作）・鈴ノ助（キャラクター原案）・鳥屋（作画） 『悪役令嬢後宮物語〜王国激動編〜』 フロンティアワークス〈アリアンローズコミックス〉、既刊4巻（2024年6月12日現在）

舞台

2016年9月28日から10月2日まで、東京・サンモールスタジオにて上演。

脚本：角畑良幸
演出：加藤拓也

外部リンク

悪役令嬢後宮物語 - 小説家になろう
涼風 - 小説家になろう（作者のユーザーページ）
* 悪役令嬢後宮物語 - アリアンローズ

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