悪魔の棲む家 完結編

『悪魔の棲む家 完結編』（1989年）は、ホラー映画シリーズの第4作目であり、シリーズ1作目の脚本を手掛けたサンドール・スターンが監督と脚本を務めています。本作は、ジョン・G・ジョーンズによる小説『Amityville: The Evil Escapes』（日本未出版）を原作としています。この小説は、有名な『アミティヴィルの恐怖』の続編として書かれたフィクション小説シリーズの1冊です。

物語は、悪名高いアミティヴィルの家で、6人の神父による悪魔祓いの儀式から始まります。激闘の末、悪魔たちは滅ぼされたかに思われましたが、1体の悪魔が家具の電気スタンドに憑依していました。その後、その電気スタンドは不動産会社を通じて売却され、老婦ヘレンが購入。ヘレンは妹のアリスへのプレゼントとして、カリフォルニア州ダンコットにあるアリスの自宅に送ります。

アリスの家には、娘ナンシーと、その3人の子供たち（アマンダ、ブライアン、ジェシカ）が住んでいました。夫を亡くし生活に困っていたナンシーは、母親であるアリスの家に身を寄せ、教員資格取得を目指して自活しようと奮闘していました。

しかし、電気スタンドが届いたことを境に、不可解な出来事がアリスの家で発生し始めます。末娘のジェシカは、その電気スタンドを亡くなった父親だと主張し、毎晩一人きりでスタンドに話しかけるようになります。やがて、電気スタンドに宿る悪魔は、家族や周囲の人々を、超常現象を用いて次々と襲い始めます。

そして、アミティヴィルでの戦いを生き延びた6人の神父の一人、キブラー神父が、逃亡した悪魔を滅ぼすべくアリスの家を訪れます。キブラー神父とアリス一家は、残忍な悪魔との最後の戦いを繰り広げるのです。

キャストには、ナンシー役のパティ・デューク、アリス役のジェーン・ワイアット、キブラー神父役のフレドリック・レーンなどが出演。他にも、マンフレッド神父役のノーマン・ロイド、ペギー役のルー・ハンコック、そしてナンシーの子供たちを演じる若手俳優たちが、物語にリアリティと緊張感を与えています。

スタッフには、製作総指揮にスティーヴ・ホワイト、製作にバリー・ベルナルディ、監督・脚本にサンドール・スターン、撮影にトム・リッチモンド、音楽にリック・コンラッドといった面々が名を連ねています。これらのスタッフの貢献により、本作は95分の尺の中で、緊迫感と恐怖に満ちた世界観を効果的に描いています。

『悪魔の棲む家 完結編』は、シリーズ全体を通して描かれてきた恐怖の集大成であり、悪魔の執拗な存在と、それを阻止しようとする人々の戦いを鮮烈に描き出しています。前作からの伏線回収や、新たな恐怖の演出など、シリーズファンも納得の、見応えのある作品に仕上がっています。特に、ラストシーンの衝撃的な結末は、観る者に強い印象を残すことでしょう。

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