情報サービス産業協会

一般社団法人情報サービス産業協会（JISA）と棚橋康郎

情報サービス産業協会（JISA）

一般社団法人情報サービス産業協会（JISA）は、日本の情報サービス業界を代表する業界団体です。システムインテグレーター、ソフトウェア開発企業、シンクタンクなど、567社もの主要企業が加盟しています。1984年に、（社）日本情報センター協会と（社）ソフトウェア産業振興協会の合併により発足しました。

活動内容

JISAは、情報サービス産業の発展と社会への貢献を目的とし、以下の活動を行っています。

1. 情報サービス産業の振興に関する調査研究
2. 情報関連技術の研究開発の促進
3. ソフトウェアの開発および利用の促進
4. 情報サービス産業に関する国際交流の促進
5. 情報サービス産業に係る行政施策に関する建議
6. その他、上記の目的を達成するために必要な事業

これらの活動を通じて、JISAは高度情報化社会の実現を推進しています。

第6代会長：棚橋康郎

棚橋康郎氏は、新日鉄ソリューションズ（現：日鉄ソリューションズ）の代表取締役会長を務めた人物で、JISAの第6代会長としても知られています。

略歴

1941年：岐阜県に生まれる
1963年：慶應義塾大学経済学部卒業後、富士製鐵（現：日本製鉄）に入社
1995年：新日本製鐵取締役エレクトロニクス情報通信事業部長
1997年：新日本製鐵常務取締役
2000年：新日鉄情報通信システム代表取締役社長
2001年：新日鉄ソリューションズ代表取締役社長
2003年：新日鉄ソリューションズ代表取締役会長
2005年：情報サービス産業協会会長（第6代）

人物像

棚橋氏は、物事の本質を見抜き、構造的に問題に取り組む姿勢を重視していました。慶應義塾大学では、加藤寛ゼミで学び、その影響を受けたと言います。富士製鉄入社後は、経営企画、販売管理、総務など、幅広い分野で経験を積みました。

バブル崩壊後には、新規事業の選択と集中を断行し、情報通信事業の育成に尽力しました。新日鉄ソリューションズを設立し、初代社長として同社を東証一部に上場させた実績も持っています。

JISA会長としては、業界の発展を牽引し、IT利活用の普及・促進に貢献しました。また、政府の審議会委員として、ITの視点から情報発信を行うなど、社会全体への貢献も積極的に行いました。

経営哲学

棚橋氏は、JISA会長就任時に「情報交換や経営者間の懇親だけでは、単なる仲良しクラブになってしまう」と警鐘を鳴らし、本来の目的に立ち返る必要性を訴えました。経営者が時間を割いて参加する価値のある組織でなければならないという信念を持っていました。

来歴詳細

1941年：名古屋市千種区に誕生
1953年：大垣市立興文小学校卒業
1956年：大垣市立興文中学校卒業
1959年：愛知県立明和高等学校卒業
1963年：慶應義塾大学経済学部卒業、富士製鉄（現日本製鉄）入社
1979年：新日本製鉄　経営企画部製鉄事業企画室　課長
1983年：同社　関連事業部　鉄鋼加工事業課長
1987年：同社　名古屋製鉄所　総務部長
1989年：同社　経営企画部長
1993年：同社　機材部長
1995年：同社　取締役　情報通信事業部長、経団連情報通信委員会情報化部会長
1997年：同社　常務取締役　新規事業全般管掌
2000年：新日鉄情報通信システム　社長
2001年：新日鉄ソリューションズ（現日鉄ソリューションズ）を設立し、初代社長
2002年：同社を会社発足後１年にして、東京証券取引所1部に上場
2003年：同社　会長
2005年：社団法人情報サービス産業協会　第6代会長
2007年：新日鉄ソリューションズ　相談役
2009年：同社　相談役退任

2003年以降2019年にかけて、以下の企業の社外取締役、社外監査役を歴任。

（株）インターネットイニシアティブ
村田製作所（株）
横河電機（株）
（株）燦ホールディングス
（株）縄文アソシエイツ

また、西安交通大学栄誉教授も務めました。

著書など

「新規事業の哲学」（NTT出版）：日本製鉄・日鉄ソリューションズ時代における新規事業成功の要諦をまとめた書籍
雑誌「財界」に『わたしの「敵対的M＆A」考』を4回にわたって寄稿：M＆Aが多発した時代に、経営者を鼓舞する目的で持論を展開

受賞歴

* 経済産業大臣表彰：社会のIT化促進への貢献

外部リンク

情報サービス産業協会

棚橋康郎氏は、情報サービス産業の発展に大きく貢献した人物であり、その経営手腕と先見性は、現代のビジネスリーダーにとっても参考になるものです。

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