情報処理の促進に関する法律

情報処理の促進に関する法律

情報処理の促進に関する法律（昭和45年法律第90号）は、1970年に施行され、その後1986年に改題されました。この法律は、日本における情報化社会の進展を受けて、情報処理の促進を図るために設けられました。目的は、電子計算機の高度利用やプログラム開発の促進、情報処理サービス業の育成を通じて、国民生活や経済の発展に寄与することです。

法律の目的

この法律の第1条には、情報処理の促進を通じて、国民の生活向上と経済成長に貢献するという理念が掲げられています。具体的には、電子計算機の効率的な利用を促進し、プログラムの流通を円滑にすること、また情報処理関連サービス業を育成するための措置が定められています。これらは情報化社会の要請に応えるための重要な施策です。

法律の構成

法律は大きく4つの章から構成されています。

1. 総則（第1条 - 第2条）
基本的な目的や適用範囲が定められています。

2. 電子計算機の高度利用等
- 第1節 - 電子計算機利用高度化計画の策定等（第3条 - 第5条）
計画の策定や具体的な施策が含まれています。
- 第2節 - 情報処理安全確保支援士等
- 第1款 - 情報処理安全確保支援士（第6条 - 第28条）
国家資格としての情報処理安全確保支援士の役割や資格条件が記されています。
- 第2款 - 情報処理技術者試験（第29条）
情報処理に関する技術者の資格試験についての規定です。

3. 独立行政法人情報処理推進機構
- 第1節 - 総則（第30条 - 第37条）
組織の目的や役割が示されています。
- 第2節 - 役員及び職員（第38条 - 第42条）
イニシアティブを持つ人々の役割について詳述されています。
- 第3節 - 業務等（第43条 - 第46条）
機関の事業や業務内容が説明されています。
- 第4節 - 雑則（第47条 - 第50条）
法律執行にあたる細則を規定しています。

4. 罰則（第51条 - 第54条）
この法律に違反した場合の罰則についての規定があります。

法律の沿革

この法律は1970年に公布され、その後数度の改正を経ています。1986年には名称が変更され、「情報処理の促進に関する法律」となりました。制度改革の一環として、様々な更新や改正が行われており、特に2002年には情報処理振興事業協会が解散し、情報処理推進機構が設立されました。最後に2016年にはサイバーセキュリティ基本法に基づく改正が行われ、情報処理安全確保支援士が新たに法制化されました。

用語の定義

法律内で使用される重要な用語には、「情報処理」、「プログラム」、「情報処理サービス業」、「ソフトウェア業」などがあります。これらは特殊なコンテキストで使われており、業界内での理解を助けるために重要です。

資格と試験

この法令に基づいて、情報処理安全確保支援士の資格が設けられています。この資格は、サイバーセキュリティに関する支援を行う専門家の認定を目的としており、具体的な試験が実施されています。また、情報処理技術者試験も行われ、技術者の育成と資格認定が図られています。

このように、情報処理の促進に関する法律は、日本の情報化社会において重要な役割を果たしており、国民生活や経済に対する影響は大きいと言えます。

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