情報技術検定

情報技術検定について

情報技術検定は、全国工業高等学校長協会が主催し、文部科学省の後援を受けて実施される検定試験です。この試験の目的は、受験者の情報技術に関する基礎的な知識と技能の習得を評価することにあります。

検定の概要

受験資格は、高校に在籍している学生や卒業生、さらに受験校の認可を受けた者が対象となります。近年、高等学校のカリキュラムに「情報技術基礎」が必修科目として組み込まれているため、多くの高校生が情報技術検定を受けるようになっています。主に工業高校の生徒が中心で、特に情報科に属する学科では、合格者が1割に達する難関の1級を目指して挑む傾向があります。この検定は国家試験である基本情報技術者試験（FE）へのステップともなります。

沿革

情報技術検定は、1976年に第1回目の試験が実施されました。2005年からは文部科学省の後援を受け、また2023年には第70回試験から受験料が改定されました。

等級の概要

情報技術検定は、3級、2級、1級の3つの等級があり、それぞれの試験内容や合格基準が異なります。以下に各等級の概要を示します。

3級

3級は工業科目「情報技術基礎」を学習した層を対象にしており、試験は100点満点で70点以上が合格の目安です。合格率は約60％と比較的高く、試験時間は50分です。主な出題内容は、コンピュータと社会、数の表現と論理、ハードウェアの基礎、アルゴリズム、プログラム作成能力に関連する問題です。

2級

2級は情報技術に関する中級者を対象とし、試験は同じく100点満点で70点以上が合格基準です。合格率は約40％で、試験時間も50分です。出題範囲には、数の表現や演算、論理回路、ハードウェアの知識、ソフトウェアの基礎、コンピュータの利用、アルゴリズム、プログラミング能力が含まれています。

1級

1級は基本情報技術者の受験希望者を対象とし、合計200点満点で試験I・IIの両方で70点以上が合格基準です。合格率は約10％とかなり厳しい設定です。試験は100分に分けて行われ、出題内容はハードウェアの知識、コンピュータの基本回路、通信、ソフトウェアの基礎、プログラミングについて含まれます。また、特別表彰があり、合計200点中190点以上が必要で、合格証書の他に表彰状と記念の盾が授与されます。

受験料

受験料は、1級が840円、2級と3級がそれぞれ630円です。全て税込みの価格です。

実施時期

情報技術検定は年に2回、前期は6月、後期は1月に実施されます。これにより、多くの学生たちが受験に向けた準備をする機会が提供されています。

関連項目

この検定は、情報技術科や情報処理技術者試験、ITパスポート試験、基本情報技術者試験など関連する試験と並行して取得を目指すことが可能です。

情報技術検定は、基礎から応用に至るまで情報技術の全般にわたる知識を評価される重要な場であり、学生たちにとって貴重なスキル認定の機会となっています。

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