惑星ピスタチオ

惑星ピスタチオの紹介

惑星ピスタチオ（わくせいピスタチオ）は、日本の劇団で、1989年に設立されました。この劇団は主に関西の小劇場を中心に活動し、2000年に解散しました。座長は腹筋善之介、座付き作家・演出家は西田シャトナーであり、二人を筆頭に数多くの才能あるメンバーが在籍しました。

演出手法の特徴

惑星ピスタチオの特徴的な演出法は、パントマイムと豊富な科白を組み合わせた「パワーマイム」と、一人が多数の役柄を演じ分ける「スイッチプレイ」です。これにより、観客にシンプルながら深い物語を伝えるスタイルを確立しました。

劇中では、宇宙から降り立つロボットや武士たちの壮大な戦闘、白血球とバクテリアのミクロの闘争など、様々な場面が描かれました。その表現は一切の小道具を使わず、身体だけで演じられます。このアプローチに対して、腹筋善之介は「よく言えばストイック、悪く言えばすごく縛りのキツイ劇団」と評しています。

活動と影響

惑星ピスタチオの活動は11年間と短いものでしたが、演劇界に残した足跡は大きく、特に「TEAM NACS」といった後の有名な劇団への影響が顕著でした。彼らの公演は北海道のテレビ局で放送され、多くの視聴者がその独特な演出に魅了されました。特にメンバーの大泉洋と音尾琢真は、彼らの公演を何度も再生して研究し、東京公演時にはピスタチオに敬意を表した「ピスタチオ・キャップ」を被ったほどです。

2000年、劇団が解散した後も、腹筋と佐々木の再共演がNHKの連続テレビ小説『オードリー』で行われ、音楽と演劇の世界が繋がる瞬間を生み出しました。

来歴とメンバー

1989年に神戸大学演劇研究会「はちの巣座」のメンバーであった腹筋善之介、西田シャトナー、平和堂ミラノ、保村大和が集結し、惑星ピスタチオを結成しました。1990年には初公演『ファントム OF W』を行い、そこで佐々木蔵之介も参加しました。その後、数々の作品を発表しながら、劇団は発展していきました。

1998年には、数名の主要メンバーが退団しましたが、その後もやり遂げた公演は多く、それぞれの個性が光る作品が上演されました。解散を迎えた2000年、『4人のN氏』がその最後の公演となりました。

劇団解散後、西田シャトナーを中心に設立された演劇制作事務所「アプリコット」もありましたが、こちらもまた2年ほどで解散しました。メンバーはそれぞれ独自の活動を重ねています。

主な出演者と作品

在籍していた俳優の中には、現在も多岐にわたって活躍している人物が多くいます。腹筋善之介（現「IQ5000」主宰）や西田シャトナー（現「西田シャトナー演劇研究所」主宰）、保村大和などがその例です。また、劇団が上演した代表的な作品には、『熱闘!! 飛龍小学校』や『白血球ライダー』、『ロボ・ロボ』などがあり、これらは今でも多くの人々に語り継がれています。

惑星ピスタチオは、瞬く間に姿を消した劇団ですが、その独自の演出スタイルと影響力は、未来の演劇に続く道を切り拓いていきました。

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