惑星間塵

惑星間塵とは

惑星間塵（interplanetary dust）とは、太陽系内に存在する微細な固体粒子のことです。惑星間ダストとも呼ばれます。国際[[天文学連合]]（IAU）の定義によれば、一般的に流星物質よりも小さい、微細に分割された物質とされています。太陽系小天体の中で最も小さな存在です。

惑星間塵の起源

観測データから、惑星間塵の起源は太陽系の形成時にさかのぼるのではなく、過去1億年以内に発生したと考えられています。その主な原因は以下の通りです。

小[[惑星]]同士の衝突：小[[惑星]]が衝突し、その破片が塵となります。
彗星からの放出：彗星が太陽に近づく際に、ガスや塵が放出されます。
外縁天体同士の衝突：太陽系の外縁部に存在する天体同士が衝突することで、塵が発生します。
外縁天体と星間塵との衝突：外縁天体と宇宙空間に存在する星間塵が衝突することでも、塵が生成されます。

黄道光と惑星間塵

惑星間塵は、大気の透明度が高く、人工光や月明かりの影響が少ない場所で、日没後の西空や日の出前の東空に見られる黄道光の原因となっています。黄道光は、太陽光が惑星間塵によって散乱されることで発生する現象です。

惑星間塵の運動

惑星間塵の運動は、太陽の重力だけでなく、太陽放射圧の影響も受けます。太陽放射圧は、太陽から放射される光の圧力を指し、微粒子に対して大きな影響を与えます。

太陽放射圧の影響
太陽の重力は質量に比例しますが、太陽放射圧は断面積に比例します。そのため、塵が小さくなるほど、太陽放射圧の影響が相対的に大きくなります。
太陽放射圧は太陽からの距離の2乗に反比例するため、見かけ上、太陽重力が弱まる効果があります。
太陽重力下でのケプラー速度で運動する塵は、太陽放射圧によって“速度超過”となり、太陽系外へと押し出されます。特に、1マイクロメートル以下の小さな塵は、太陽系の寿命に比べて非常に短い時間で太陽系外に放出されます。
ポインティング・ロバートソン効果
10から100マイクロメートル程度の比較的大きな塵には、別の効果が重要になります。
塵は太陽光を吸収し、それを再放射します。この際、光行差により進行方向にブレーキがかかり、塵は角運動量を失います。
その結果、塵は太陽に向かってらせん軌道を描いて落下していきます。これをポインティング・ロバートソン効果と呼びます。
小[[惑星]]帯で発生した塵は、この効果により1千万年以内に太陽に落下します。

惑星間塵は、太陽系内の物質循環を理解する上で重要な要素であり、その起源や運動を研究することで、太陽系の進化過程やダイナミクスについてより深く知ることができます。

関連項目

宇宙塵
* 銀河間塵

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