惨事ストレス

惨事ストレスとは

惨事ストレス（critical incident stress）とは、自然災害、交通事故、火災、テロ、虐待などの、通常の対処能力を超えるような危機的状況（惨事）に直面した人、あるいはその様子を見聞きした人に生じるストレス反応のことです。

惨事の例

自然災害（地震、津波、台風など）
交通事故
火災
ビルなどの倒壊
テロ、戦争などの人為的災害
暴力、レイプなどの虐待・暴力的行為

惨事ストレスの原因

惨事ストレスは、災害救援者（消防士、自衛隊、看護師、医師など）やジャーナリストなど、惨事に関わる人々にとって、特に大きな影響を与える可能性があります。以下に、惨事ストレスを引き起こす主な要因を説明します。

救援対象の特徴

家族を想起させるような死傷者、特に子供の死
不条理な理由による事故や事件
損傷の激しい遺体や重傷者の目撃

接触した状況

悲惨で凄惨な現場
緊張を強いられる現場
自身が負傷したり、負傷する危険にさらされた場合
同僚が負傷したり、死亡した場合
救出が困難な状況、または救出に失敗した場合
トリアージが必要な状況

活動後の状況

マスメディアが注目した場合
社会からの支持が得られず、批判された場合

惨事ストレスを強める要因

悲惨な場面を目撃、見聞きした場合
惨事発生時に自身の安全が確保されていなかった場合
自身の危険を顧みず活動を続けなければならなかった場合
同僚の殉職

ジャーナリストの惨事ストレス

惨事現場で報道活動を行うジャーナリストも、惨事ストレスの影響を受けます。現場に赴かなかったデスク担当者も影響を受けることがあります。

ジャーナリストの惨事ストレスの特徴

取材と救助の葛藤：報道という責務と、人命救助の間で葛藤が生じます。
遺体との直面：日常業務で遺体に接する機会が少ないため、大きな精神的ショックを受けることがあります。心的外傷後ストレス障害（PTSD）を発症するリスクも高まります。
無力感：甚大な被害を目の当たりにし、自身が無事であったことへの罪悪感（サバイバーズギルト）や、自己の存在意義に対する過小評価を抱くことがあります。

関連情報

* 緊急事態ストレスマネジメント (Critical Incident Stress Management)

その他

惨事ストレスは、適切なケアとサポートによって軽減することが可能です。もしご自身や周囲の方が惨事ストレスを抱えていると感じたら、専門機関への相談をおすすめします。

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