愚図 (曲)

1975年9月10日にリリースされた研ナオコの9枚目のシングル「愚図」は、彼女にとって大きな転換点となる作品でした。1971年のデビュー以来、初めてオリコンチャートのベスト10にランクインし、その歌唱力と楽曲の魅力が広く認知されるきっかけとなりました。

この曲は、第4回FNS歌謡祭において最優秀歌謡音楽賞を受賞し、その年の音楽シーンを代表する一曲として評価されました。阿木燿子作詞、宇崎竜童作曲による情感豊かなメロディと、研ナオコの表現力豊かな歌声が、多くの人々の心を捉えました。

ジャケットの題字は、俳優としても著名な森繁久彌が手掛けており、その存在感と芸術性が、作品に深みを与えています。楽曲の内容とジャケットの美しさが見事に調和し、一枚の芸術作品として完成されています。

「愚図」の収録曲は以下の通りです。

1. 愚図（作詞：阿木燿子／作曲：宇崎竜童／編曲：竜崎孝路）
2. サヨナラは嫌いな言葉（作詞：島武実／作曲：宇崎竜童／編曲：馬飼野康二）

B面曲である「サヨナラは嫌いな言葉」も、宇崎竜童が作曲を手掛けており、阿木燿子とは異なる島武実の作詞による、切ない心情が歌われています。

「愚図」は、数多くのアーティストによってカバーされています。内藤やす子は1976年のアルバム「すきま風」で、佳苗は2003年の8thシングルで、それぞれ独自の解釈でこの曲を歌い上げています。また、作曲者である宇崎竜童自身も、2004年のアルバム「しなやかにしたたかに〜女たちへ」でセルフカバーしており、この曲への深い愛情が感じられます。

この楽曲は、1975年、1976年の音楽シーンを彩る代表的な作品の一つであり、研ナオコの歌手としての地位を確立する上で、非常に重要な役割を果たしました。情感豊かな歌声と、時代を超えて愛されるメロディは、今もなお多くの人々の心に響き続けています。

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