愛のハーモニー

愛のハーモニー (That's What Friends Are For)

「愛のハーモニー」は、バート・バカラックとキャロル・ベイヤー・セイガーによって制作された楽曲です。この曲は、1982年に公開された映画『ラブ IN ニューヨーク』のサウンドトラックで、ロッド・スチュワートのバージョンが初めて披露されました。しかし、ディオンヌ・ワーウィックが1985年にスティーヴィー・ワンダー、グラディス・ナイト、エルトン・ジョンと共演したカバー・バージョンが、特に広く知られるようになりました。このバージョンは、アメリカの音楽シーンで大ヒットを記録し、全米シングルチャートで1位に達しました。

ディオンヌ・ワーウィックのバージョン

ディオンヌ・ワーウィックが歌った「愛のハーモニー」は、『フレンズ』というアルバムのセッションの一環で録音されました。当初、スティーヴィー・ワンダーとのデュエットとして企画されていましたが、共同プロデューサーのバート・バカラックがフレンドリーな雰囲気を加えるため、グラディス・ナイトとエルトン・ジョンも参加することになりました。この結果、より強力なコラボレーションが実現しました。

このバージョンは、米国エイズ研究財団への寄付を目的としたチャリティーシングルとして発売され、300万ドル以上の資金を集めることに貢献しました。「Billboard Hot 100」では、1986年の1月に1位に浮上し、続けて4週間連続でその座を守ったのです。さらに、1986年の年間チャートでも1位になり、音楽界での重要な成果を収めました。

エルトン・ジョンはピアノを、スティーヴィー・ワンダーはハーモニカを演奏しており、彼らの共演は3年前の楽曲「ブルースはお好き?」以来のことでした。このような特別なコラボレーションが、多くのリスナーに感動を与えています。

チャリティーを超えて

ディオンヌ・ワーウィックは、この曲がエイズ撲滅を目的に制作されたものであり、彼女自身もこの問題の深刻さを強調しています。彼女は「友人が苦しむ姿を見て、何かしなければならない気持ちになった」と語っており、曲がもたらした影響の大きさを感じていました。また、1988年にはワシントン・ポストに対して、その経験を振り返りつつ、エイズへの意識を啓発する活動を続ける姿勢を示しました。

「愛のハーモニー」は、第29回グラミー賞では最優秀ポップパフォーマンス賞デュオ/グループと最優秀楽曲賞を獲得しました。そして、2011年にはニューヨークで再びこの曲を共演するイベントが行われ、参加者たちの熱い思いが込められたパフォーマンスが披露されました。

1990年のチャリティ・コンサート

また、1990年にはニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールでエイズ撲滅コンサートが開催され、そこでもディオンヌ・ワーウィックがホイットニー・ヒューストンと共にこの曲を歌いました。このコンサートでは、アリスタレコードから250万ドル以上の収益がエイズに関する団体に寄付され、音楽を通じた支援が続けられています。

まとめ

「愛のハーモニー」はただの楽曲に留まらず、友情や思いやり、さらには社会的な課題に対する意識を高める役割を果たしてきました。その影響力は今なお色褪せず、多くの人々に愛され続けています。音楽がもたらす力や友情の重要性を改めて教えてくれるこの曲は、アーティストたちの素晴らしいコラボレーションの結果として、記憶に残り続けるでしょう。

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