愛を今信じていたい

愛を今信じていたい

堀ちえみのシングル「愛を今信じていたい」は、1987年3月21日にキャニオン・レコードからリリースされた彼女の21枚目のシングルです。この曲は堀がアイドルとして活動する中で、引退前の最後のシングルとなりました。彼女は1989年に再び芸能界に復帰しますが、この曲には特別な意味が込められています。

制作背景

「愛を今信じていたい」の作詞は、堀ちえみの希望により秋元康が担当し、作曲には小室哲哉が起用されました。当時、小室はTM NETWORK|TM_NETWORKのメンバーとして成功を収めており、彼が手掛けた楽曲には多くのヒットがありました。このシングルは、堀にとって最後の作品ということで、特に注意深く制作されました。渡辺有三が小室に「堀の引退を飾る曲を書いて欲しい」と頼んだことも、この曲の特異な位置づけを示しています。

また、B面には「Faraway」という曲が収録されています。こちらも小室による作曲で、作詞は堀自身が手掛けています。彼女が自ら歌詞を書きたいと希望したことが、彼女の音楽的な成長を感じさせます。このように、シングルには堀自身の意向や成長が色濃く反映されています。

小室哲哉の思い

小室はこの曲について「寿命がわかっていた曲だった」と振り返り、「普通だったらヒットすればコンサートで歌ったりするが、この曲は最後の出演が終われば終わり。『死期』と言うと変だけど、逆に『手抜きはできないな』と気持ちが引き締まった」と述べています。彼の言葉からは、この楽曲に対する真剣さが伝わってきます。

テレビ出演と感動の瞬間

「愛を今信じていたい」は、テレビの歌番組でも何度か披露されました。特に印象的だったのは、1987年3月11日にフジテレビ系の『夜のヒットスタジオ』での生放送出演です。この時、堀は歌い終えた後、感情が高まり涙を流しました。この姿は多くの視聴者に強い印象を残し、彼女の引退を惜しむ声が広がりました。

再びのパフォーマンス

堀は2005年に歌手活動を再開し、コンサート『青春の忘れ物』で「愛を今信じていたい」を再び披露しました。この時にはメドレーの一部としてダンスパフォーマンスを加え、新たな形でファンの前に姿を見せました。これにより、彼女の音楽とダンスのスキルを再確認したファンも多かったことでしょう。

収録曲

このシングルには以下の楽曲が収録されています：

• - 愛を今信じていたい

作詞：秋元康
作曲：小室哲哉
編曲：武部聡志

• - Faraway

作詞：Chiemi
作曲：小室哲哉
編曲：武部聡志

後に小室哲哉は、この曲を1992年のアルバム『Hit Factory』にセルフカバーとして収録しました。作品が持つ普遍的な魅力は、時を経ても色褪せることがありません。

1987年の音楽

「愛を今信じていたい」は、1987年の音楽シーンの一端を担う重要な作品として、堀ちえみのキャリアを彩る楽曲といえます。このシングルは、彼女のアイドルとしての活動や音楽の成長を反映したものであり、今日でも多くの人々に愛され続けています。

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