愛子競馬場

愛子競馬場の歴史

愛子競馬場（あやしけいばじょう）は、宮城県仙台市青葉区愛子中央にあった競馬場で、昭和4年から昭和6年にかけて競馬が行われていました。その設立の背景には、宮城県産馬畜産組合が運営していた仮設の仙台宮城野原競馬場がありました。しかし、競馬法改正の影響でこの仮設競馬場での開催が難しくなり、常設競馬場の設置が求められました。

設立の経緯

新たな競馬場の設立は簡単ではなく、県内の各地から誘致の申請がありましたが、土地の買収費用が高く、実現が困難でした。困難な状況の中、加藤忠三郎という人物を中心に愛子競馬協賛会が立ち上がり、土地の提供を申し出たことから、事業が進展しました。こうして、愛子競馬場は昭和4年11月21日に設置され、初めて競馬が開催されました。

開催記録

初回の競馬は昭和4年11月22日から24日までの3日間にわたり盛大に行われる予定でした。事前の申込数は96頭と順調だったものの、経済不況や交通の不便さ、厳しい寒気等が影響し、集客は芳しくありませんでした。その後、昭和6年の春季開催は比較的良好でしたが、全体的な業績は厳しいものでした。

廃止の決定

春秋に競馬イベントが行われていたものの、愛子競馬場は土地の問題や交通の悪さから将来的な発展に期待できないという判断が下されました。最終的に、昭和7年4月13日には宮城県知事の認可の元で廃止されることとなりました。

現在の位置

愛子競馬場の具体的な場所は現存の地図からは確認できないものの、当時の地名や記録から現在の愛子中央四丁目付近に存在したと考えられています。この地域は2000年代初頭に行なわれた土地区画整理の影響で昔の地名が消えてしまっています。

参考文献

• - 宮城県産馬要覧（宮城県産馬畜産組合）
• - 河北新報昭和4年〜昭和6年（河北新報社）

総括

愛子競馬場はその短い歴史の中で、地域の人々に競馬を楽しむ機会を提供しましたが、様々な要因により早期に閉鎖されることとなりました。競馬の文化や地域の歴史において、愛子競馬場の名前は今でも語り継がれることでしょう。

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