愛宕スポーツコンプレックス野球場

愛宕スポーツコンプレックス野球場：絆を繋ぐスタジアム

山口県岩国市愛宕山地区に位置する愛宕スポーツコンプレックス野球場は、その愛称である『絆スタジアム』の名の通り、日米両国の友好親善を象徴する施設です。岩国飛行場（アメリカ海兵隊岩国基地）沖合拡張に伴う米軍住宅地整備の一環として、防衛省の事業主体により建設されました。

建設の背景と日米協調

この野球場は、空母艦載機部隊移転による施設整備計画の一環として誕生しました。日米安保条約と日米地位協定に基づき、日米両軍が共同で使用できる施設として運用されています。日本側では都市公園法に基づき、岩国市が管理・運営を行い、維持管理費は日米両国で折半する仕組みとなっています。一般財源に頼らない運営を目指し、施設利用料と国からの交付金を財源としています。

特筆すべきは、米軍管轄エリアでありながら、米軍憲兵隊の駐留やパトロールがない点です。そのため、米軍関係者による事件発生時にも日本の警察による逮捕が円滑に行える体制が整えられています。政治活動は禁止されているものの、スポーツを通じた日米友好親善の促進という建設理念が、このスタジアムの重要な特徴となっています。

施設概要と利用状況

総事業費約60億円を投じ建設された絆スタジアムは、高校野球の公式戦開催にも対応できる規模を誇ります。両翼100m、中堅122mの広々としたフィールドは、クレー舗装の内野と天然芝の外野から構成され、8000人を収容可能です。内野席5000人、バックネット裏スタンド2000人、1・3塁側内野スタンド3000人、外野席3000人と、観客席も充実しています。

野球場以外にも、ソフトボール用グラウンド2面が併設されており、多様なスポーツイベントに対応できる環境が整っています。完成から現在までに、広島東洋カープなどのプロ野球二軍の春季キャンプ、ウエスタン・リーグ公式戦、巨人対広島のファーム交流戦など、数々のプロ野球試合が開催されています。2023年には日米対抗ソフトボールの試合も開催され、国際的なスポーツ交流の拠点としての役割も果たしています。

アクセス

JR山陽本線岩国駅・南岩国駅からいわくにバスを利用するか、南岩国駅から徒歩でアクセス可能です。公共交通機関でのアクセスも比較的容易であるため、多くの観客が訪れやすい立地となっています。

まとめ

愛宕スポーツコンプレックス野球場（絆スタジアム）は、日米の友好親善を象徴するだけでなく、岩国市のスポーツ振興にも大きく貢献する重要な施設です。その存在は、国際的なスポーツ交流の活性化、地域経済の活性化、そして日米関係強化の象徴として、今後も重要な役割を果たしていくことでしょう。

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