愛玩動物看護師

愛玩動物看護師について

愛玩動物看護師（あいがんどうぶつかんごし）は、2019年に制定された日本の国家資格です。この資格は、動物医療における専門職として、愛玩動物の看護や診療補助を行うことを目的としています。これは、農林水産大臣と環境大臣からの免許を受けることで成立し、名称は独占的に使用され、業務も独占的に行うことができます。

標準化の必要性

日本では、動物看護に従事する人々は約2万人に上ると言われていますが、従来はさまざまな教育機関が独自の基準で資格を認定していました。このため、資格が多様化し、看護者の職能のバラつきが問題となっていました。2013年から、民間の教育機関による共通のカリキュラムが整備され、資格の統一が目指されましたが、依然として動物病院では多様な動物看護者が必要とされる状況が続いていました。

国家資格化への流れ

動物看護者に関する法整備がなかったため、技術的な水準の確保や就業環境の整備が急務となり、国家資格の創設が求められました。その結果、2019年6月に「愛玩動物看護師法」が成立し、動物看護者は正式に国家資格として認定されることとなりました。

業務の内容

愛玩動物看護師の主な業務には、診療の補助や愛玩動物の世話、飼い主への適切な飼養に関するアドバイスなどが含まれます。診療の補助では、獣医師の指示のもとに行われる具体的な作業として、輸液剤の注射や採血、マイクロチップの装着、カテーテルの留置、投薬などがあります。ただし、診断やエックス線撮影など、動物の身体に直接影響を与える治療行為や調剤は行えません。また、看護対象となる愛玩動物は犬、猫、愛玩鳥に限られています。

受験資格と試験

愛玩動物看護師国家試験を受けるには、法施行後に主務大臣の確認を受けた大学や都道府県知事指定の養成所で必要な教育課程を修了することが求められます。また特例措置として、2027年までの間は、法律施行前に卒業した人や在籍している人が指定講習会を受け、実務経験を持っている場合、受験資格を得ることができます。国家試験に合格し、名簿に登録されることで免許が授与されます。

試験の結果

2023年2月19日に実施された第1回愛玩動物看護師国家試験では、18,481人が合格し、2023年7月1日現在、名簿登録者数は16,518名に達しています。これは、愛玩動物看護師制度が動物医療においてどれほど重要な役割を果たしているかを示す結果とも言えるでしょう。

参考リンク

• - 農林水産省: 愛玩動物看護師
• - 環境省: 愛玩動物看護師法

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