憲法9条にノーベル平和賞を

「憲法9条にノーベル平和賞を」運動とは

「憲法9条にノーベル平和賞を」（The Nobel Peace Prize for Article 9 of the Japanese Constitution）は、日本国憲法第9条にノーベル平和賞を授与することを求める運動です。この運動は、神奈川県座間市の鷹巣直美氏が発案し、「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会が中心となって活動しています。受賞対象は当初、日本国民全体とされていましたが、後に「九条の会」と鷹巣直美氏が共同候補として推薦されました。

運動の経緯

2014年4月9日、ノルウェー・ノーベル委員会は推薦を受理しましたが、結果は落選となりました。2015年にも運動は継続されましたが、再び落選。しかし、運動は現在も続いています。

ノルウェー・ノーベル委員会は、毎年1月末の締切後、有資格者からの推薦全てを候補として登録しますが、これはあくまで受理の通知であり、「受賞基準に合うかどうかの見解を示すものではない」と述べています。また、受賞対象は3人以下の個人または組織・団体に限られており、候補者の自薦は認められていません。

オスロ国際平和研究所の見解

ノーベル平和賞の受賞予測を毎年発表しているオスロ国際平和研究所は、当初、本運動を2014年の最有力候補として挙げました。しかし、後に受賞対象の「日本国民」を団体名と誤解していたことが判明。「ある地域の人々が（全体で）何らかの責任を負う存在となることはあり得ない」として、日本国民全体がノーベル平和賞の受賞対象となる可能性を否定しました。

その後、韓国の「日本平和憲法9条ノーベル平和賞推薦韓国委員会」は、2015年1月15日に日本の受賞対象を「九条の会」と鷹巣直美氏を共同候補として推薦しました。

日本からの支援

2014年7月22日には、民主党の小西洋之参議院議員らが、日本の憲法9条にノーベル平和賞を授与するよう求める文書をノルウェー・ノーベル委員会に提出しました。

大韓民国からの支援

韓国でもこの運動への支援活動が活発に行われ、元首相や元国会議長、学者、文化人ら約50人が賛同しています。これは、韓国国内で自国民のノーベル賞受賞を求める運動が過熱している状況を考えると、非常に異例なことです。

この運動のきっかけは、村山富市元首相や小沢一郎氏ら日本の野党政治家が2014年9月に「韓国で推進すればどうか」と提案したことにあるとされています。

2014年12月9日には、韓国の地方自治体である江原道が、「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会に対し「非武装地帯(DMZ)平和賞」を授与しました。

アメリカからの支援

アメリカでは、コネチカット大学のアレクシス・ダデン教授がこの運動に賛意を示しています。

批判の言論

ジャーナリストの大高未貴氏は、この運動の背後に日本の憲法改正を阻止しようとする外国勢力の意図があると主張しています。

また、元ベ平連活動家のダグラス・ラミス氏は、憲法9条を支持する立場から、「自薦とも取れるこの運動は共感を得られない」とし、世論調査の結果を基に、「平和に献身するのではなく、他者が代わりに戦ってくれることを望んでいる」として、賞をもらうに値しないと批判しています。

運動の結果と今後

2014年のノーベル平和賞は、マララ・ユスフザイ氏とカイラシュ・サトヤルティ氏に授与され、本運動は落選しました。しかし、実行委員会共同代表の鷹巣直美氏は、「憲法は危機に直面しているが、国の最高規範である憲法は変わっていない。私たちは、戦争が絶えないこの世の中に憲法9条を輝かせるため、これからも活動を続けていく」と、運動の継続を表明しています。

資料

鷹巣直美「新 わたしと憲法シリーズ 鷹巣直美 「憲法9条」にノーベル平和賞を 署名を送り続ける2児のママ」『金曜日』22(3):53, 2014-01-24

出典

複数の出典元が記事内に記載

外部リンク

* 「憲法9条にノーベル平和賞を」実行委員会

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以上が「憲法9条にノーベル平和賞を」運動に関する詳細な情報です。運動の背景、国内外の支援、そして批判的な意見を含め、多角的に捉えることで、より深くこの運動を理解することができます。

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