我こそ勇者

トムとジェリー：我こそ勇者

1958年公開のトムとジェリー作品、『我こそ勇者』(原題:Robin Hoodwinked)は、中世スコットランドを舞台にした痛快な冒険コメディーです。本作は、ハンナ・バーベラ・プロダクションによる初期作品の一つであり、シリーズにおけるニブルスの最終登場作品としても知られています。

物語は、スコットランドの英雄ロビン・フッドが、悪徳代官に捕らわれ牢獄に収監されていることから始まります。その知らせを聞いたジェリーは、いつも忠実な相棒ニブルスと共に、ロビン・フッド救出に向かうことを決意します。

ジェリーとニブルスは、牢獄の番をしている傭兵トムに遭遇します。トムは、大きな戦斧を携え、警戒態勢をとっています。鍵を盗み出そうとするジェリーたちを、トムは容赦なく襲いかかります。激しい攻防の末、ジェリーとニブルスは落とし穴に落とされてしまいます。さらに、トムは誤って牢獄の鍵を飲み込んでしまうというハプニングも発生します。

鍵を飲み込んだトムは安心しきって眠りこけてしまいます。この隙に、勇敢なニブルスは、鍵を取り戻すため、トムの体内へと潜入するという大胆な行動に出ます。トムの体内を冒険するニブルスですが、トムが飲み込んだワインによって酔っぱらってしまいます。酔いながらも必死に鍵を探し出し、喉までたどり着きます。しかし、トムが目覚めてしまい、ニブルスの脱出を阻止しようと歯を食いしばります。

しかし、酔いつぶれたニブルスは、驚くべき力を発揮します。トムの歯を打ち砕き、見事脱出に成功したのです。

ジェリーとニブルスは、手に入れた鍵で牢獄の扉を開け、ロビン・フッドを救出します。しかし、彼らの脱走に気づいた衛兵たちが、矢を射かけてきます。その矢の1本が、ニブルスに命中し、木に突き刺さってしまうというアクシデントが発生します。

にもかかわらず、ジェリーとニブルスは、ロビン・フッド救出の成功を祝って、歌いながら帰路につきます。ニブルスは、まだ酔いが醒めていないのか、歌い終わるとしゃっくりをしていました。

この作品では、トムのコミカルな行動と、ニブルスの予想外の活躍、そして、中世スコットランドの雰囲気などが見どころです。ニブルスの最後の登場作品ということもあり、ファンにとっては感慨深い作品となっています。日本のテレビ放送では、TBS系列などで1964年から1990年頃まで放送され、ジェリーがニブルスを「タフィー」と呼ぶ独特の演出も見られました。

主な登場人物

トム: 傭兵として牢獄の警備にあたっています。ジェリーとニブルスの妨害にあたり、鍵を飲み込んでしまうなどコミカルな描写がされています。
ジェリー: ロビン・フッド救出の計画を立案し、実行するリーダー的な役割を担っています。
ニブルス: ジェリーをサポートし、トムの体内への潜入など、大胆な行動で物語を盛り上げます。本作が彼の最後の登場作品となっています。
ロビン・フッド: スコットランドの英雄。ジェリーとニブルスによって救出されます。
* 衛兵たち: ロビン・フッドの脱走を阻止しようと、ジェリーとニブルスに矢を射かけます。

作品全体のまとめ

『我こそ勇者』は、トムとジェリーのコミカルなやり取りと、スリリングな救出劇が融合した、見応えのある作品です。ニブルスの最後の活躍も見逃せないポイントです。中世スコットランドの独特の雰囲気も、作品の魅力を高めています。

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