戦国エース

1993年4月22日にゲームセンターへ登場した『戦国エース』は、株式会社彩京（当時は彩アート京都）が開発を手がけた記念すべき第1弾タイトルとなる縦スクロールシューティングゲームです。

概要

本作は、ビデオシステムのシューティングゲーム『ソニックウィングス』の開発チームが独立して設立した彩アート京都が、その設立後に初めて世に送り出した意欲作です。前作のランダムステージや、被弾による自機パワーダウンといったシステムを継承しつつ、本作から後に彩京シューティングの代名詞ともなる「彩京弾」（敵弾の速度が遅く、弾幕の密度が高い特徴）を導入。さらに、2人同時プレイ時にのみ見られる専用デモを挿入するなど、独自の工夫が凝らされています。ゲームのテーマは日本の戦国時代風の和風テイストとなっており、プレイヤーは忍者や妖怪、からくりといった個性豊かなキャラクターや敵と戦うことになります。

ストーリーと目的

プレイヤーの目的は、邪教集団「神羅教」に誘拐されてしまった月姫を救い出し、彼らが企てる邪神復活の計画を阻止することです。

ゲームシステム

操作は8方向レバーと、ショットボタン、スペシャルウェポンボタンの2つのボタンで行います。全7面構成のステージをクリアしていくのが基本的な流れです。特徴的なのはステージ構成で、最初の3面は4種類の候補の中からランダムに選択されます。後半の4面は全プレイヤー共通の固定ステージですが、2周目に突入すると、1周目で選ばれなかった前半ステージが必ず含まれるようになっています。

アイテム

ゲーム中に登場するアイテムは主に以下の3種類です。

P（パワー）: 自機のショットが強化されます。最大4段階までパワーアップし、4段階目になると非常に強力な攻撃が可能になりますが、この強力なショットを撃ち続けると、パワーレベルが3段階目に戻る仕様があります。
B（ボム）: スペシャルウェポンのストックが1つ増えます。
スーパーショット: Pアイテムを1つ以上取得している状態で、ショットボタンを一定時間押し続けてから離すと発動します。自機が特殊な形態に変形し、強力な一撃を放ちます。

登場キャラクター

ゲーム開始時に、性能や攻撃方法の異なる6種類のプレイヤーキャラクターから選択できます。2人同時プレイで同じキャラクターを選ぶことはできません。個性的な面々が揃っています。

疾風のジェーン: 金髪蒼眼のくノ一。俊敏な動きが特徴。
ターボ坊主 天外: 怪力と法力を操る僧侶。パワー系の攻撃が得意。
超天才犬 犬王丸: 人語を解し戦闘機を操る天才犬。トリッキーな攻撃を持つ。
暴れん坊巫女 こより: 底知れぬ法力を持つ巫女。金に目が無いじゃじゃ馬娘。
閃光のアイン: 刀の鍔を眼帯にする異国の侍。行方不明の妹を探している。
* からくり屋 源内: 稀代の蘭学者とからくり人形「蘭丸」。ユニークな攻撃方法。

プレイヤーの行く手を阻む敵の中でも、特に印象的なのが中ボスとして登場する「機忍四天王」です。地龍、火燕、風牙、水瑚の4人組で、それぞれが強力な能力を持ち、ステージの最後に立ちはだかります。ステージ5では、彼ら全員と再び戦うことになります。

移植展開

アーケード版稼働後、本作は様々なプラットフォームに移植されました。2004年には続編の『戦国ブレード』とのカップリングでPlayStation 2用ソフト『彩京シューティングコレクションVol.2』としてタイトーから発売。近年では、2018年にNintendo Switchでのダウンロード配信を皮切りに、2019年には同機種のパッケージソフト『彩京 SHOOTING LIBRARY Vol.2』にも収録されました。さらに、2020年にはSteam、2022年にはPlayStation 4|PlayStation_4とXbox Oneでもダウンロード配信が開始され、PlayStation 4|PlayStation_4ではパッケージソフト『彩京 SHOOTING LIBRARY Vol.2』も発売されています。

続編

本作の成功を受けて、『戦国ブレード』、『戦国キャノン』といった続編も制作されています。

『戦国エース』は、その個性的な世界観、ユニークなキャラクター、そして後の彩京シューティングの特徴を確立したシステムにより、多くのファンに愛される作品となりました。

もう一度検索