戦場のヴァルキュリア2

『戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校』

「戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校」は、2010年1月21日に発売されたPlayStation Portable専用のシミュレーションRPGである。ゲームの背景には、前作『戦場のヴァルキュリア』の物語がありながら、新たなキャラクターとストーリーが展開される。舞台はガリア公国で起きた内乱の中、士官候補生たちが戦いに巻き込まれる様子を描いている。

ゲームの内容

今回の作品は、プレイヤーが士官学校の生徒となり、すべてのミッションを校内で選択するシステムが特徴だ。ゲームは月ごとに区切られており、各月ごとに異なるミッションが発生する。ミッションは主にストーリーミッション、学校での課題、過去のミッションのリプレイができるフリーミッション、購買部からの購入ミッション、クラスメイトから受けるクラスメイトミッション、ダウンロードコンテンツで提供されるエクストラミッションに分類される。

戦闘はターン制で行われ、前作と同様にBLiTZシステム（Battle of Live Tactical Zones）を採用。地形は複数のエリアに分割されており、拠点を占拠することで他のエリアから出撃可能となる。また、士気やモラルという新要素が追加され、これによって部隊のパフォーマンスが変わる仕組みとなっている。しかし、戦死することはなく、倒れた味方は撤退するのみとなる。一時的な入院を経て、再度出撃可能となるため、プレイヤーは慎重に戦略を立てる必要がある。

ユニットの育成と兵科

ユニットのカスタマイズも豊富で、5つの兵科から35種類の職業が選べる。各兵科はそれぞれ特性が異なり、例えば偵察兵は高い移動力を持ち、対戦車兵は戦車に対する攻撃力が強い。各兵科での成長が可能で、ミッションでの経験値や実績が新たなクラスへの進化を可能にする。また、車両ユニットもあり、戦車や装甲車のカスタマイズが前作より広がっている。

物語とキャラクター

物語は、ガリア南部の陸軍士官学校を舞台に展開され、プレイヤーキャラクターのアバン・ハーデンスがその中心的人物となる。彼は、内乱に巻き込まれた状況の中、自らの兄の死の真相を追求するため士官学校に通うことになる。そして彼の仲間として、ダルクス人の少女ゼリや医者を目指すコゼット・コールハースが物語に加わる。彼らが所属するG組は、他のクラスから見下される存在で、士気の低さが問題視されている。しかし、アバンのリーダーシップにより彼らは団結し、成長を遂げていく。

物語の進行とともに、内部の争いや外的な脅威と向き合いながら、彼らの友情や成長が試される。学内行事や模擬戦を通じて彼らは経験を積み、反乱軍の鎮圧へと向かう展開が描かれる。

開発と販売

このゲームは前作の成功を踏まえつつ、PSPへの移行に伴い、ハードスペックの制約を克服するためにエリア分割やユニットカスタマイズの幅を広げている。開発には、崎元仁による音楽や本庄雷太のキャラクターデザインが採用されており、ファンに魅力的な作品に仕上がっている。また、販売面では、発売直後から体験版の配布や連動キャンペーンが行われ、プレイヤーの関心を引きつけていた。

発売後も、新たなミッションやダウンロードコンテンツでゲーム体験が拡張されるなど、プレイヤーに飽きさせない工夫がなされている。サブキャラクターの存在も強調されており、イベントシーンでも活躍する場面が増加。これにより、ストーリーの深みが生まれ、プレイヤーはより一層物語に没頭できるだろう。

『戦場のヴァルキュリア2 ガリア王立士官学校』は、学校生活と戦闘が見事に融合した作品であり、プレイヤーに新しい体験を提供するゲームとして多くの支持を得ている。

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