戦略国際問題研究所

戦略国際問題研究所（CSIS）: 世界をリードするシンクタンク

戦略国際問題研究所（CSIS）は、アメリカ合衆国ワシントンD.C.に拠点を置く、世界的に著名なシンクタンクです。1962年、ジョージタウン大学から独立した研究機関として設立され、現在では220名以上のフルタイム職員を擁する大規模な組織へと成長しました。議長にはトーマス・プリッツカー氏、所長兼CEOにはジョン・ヘイムリ氏が就任しています。

CSISの設立と歴史

CSISの前身は、1919年にジョージタウン大学に設立された「エドマンド・A・ウォルシュ外交学院」です。イエズス会司祭であるエドマンド・アロイシャス・ウォルシュによって設立されたこの学院は、その後「ジョージタウン大学戦略国際問題研究所」となり、1987年に独立を果たしました。設立当初から、アメリカ陸軍など国家安全保障機関との緊密な関係を築いてきました。

世界的にも高い評価

CSISは、その高い研究能力と影響力から、世界中のシンクタンクの中でもトップクラスに位置付けられています。ペンシルベニア大学による2014年のランキングでは、防衛・国家安全保障分野で世界第1位、外交政策・国際関係論分野で第5位を獲得するなど、その高い評価は世界的にも認められています。

超党派の立場と主要人物

CSISは公式には超党派を標榜しており、民主党、共和党双方から幅広い人材が参加しています。USニューズ&ワールド・レポートはCSISを「中道」と位置付けています。理事や顧問には、ヘンリー・キッシンジャー氏、ズビグニュー・ブレジンスキー氏など、アメリカ国家安全保障会議で要職を務めた著名な人物が多く名を連ねています。

日本との深い繋がり

CSISは日本とも深い関わりを持っています。小泉進次郎氏など、多くの日本人研究者がCSISに籍を置いてきました。近年では、日本の若手官僚や政治家候補がCSISで研鑽を積むことが一般的となっています。防衛省や外務省などの職員に加え、民間企業からも多くの客員研究員が参加しています。

CSISは日本の公益財団法人である東京財団などとも協力関係にあり、共同研究やフェローシップ・プログラムを実施しています。また、日本経済新聞社との連携による「日経・CSISバーチャル・シンクタンク」を設立するなど、日本における影響力も拡大しています。稲盛和夫氏（稲盛財団理事長）は国際評議員を務め、「アブシャイア・イナモリ リーダーシップ・アカデミー」の設立にも貢献しています。

近年の報告書と論争

CSISは、日本の子宮頸がんワクチンの接種に関する報告書を発表するなど、幅広い分野で研究活動を行っています。しかし、2020年には、米国務省の支援を受けて作成した「日本における中国の影響力」という報告書が物議を醸しました。この報告書では、日本の政治家に関する記述が、関係者から事実と異なるとして批判を受け、訂正を求める声が上がりました。

CSISの今後

CSISは今後も、国際安全保障や外交政策に関する研究を継続し、世界各国の政策決定に影響を与える重要な役割を果たしていくことでしょう。その活動は、常に注目を集め、議論を呼び起こす存在であり続けると思われます。今後の動向に注目が必要です。

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