戦車第4師団 (日本軍)

戦車第4師団は、大日本帝国陸軍の機甲師団の一つであり、主に本土防衛を目的として編成されました。この師団は、戦車連隊を主体とする機甲部隊であり、その創設から終戦まで、日本の防衛体制の一翼を担いました。

沿革

1944年（昭和19年）7月、戦車、騎兵、野戦砲兵、工兵、輜重兵といった各学校の教導部隊を基幹として、戦車第4師団は編成されました。この時、師団は第36軍に所属し、本土決戦に備える重要な役割を担いました。戦局が逼迫する中で、迅速に編成された背景には、本土防衛に対する強い危機感があったと言えるでしょう。

師団概要

戦車第4師団は、3個戦車連隊を主力とする機甲師団として、その機動力を最大限に活かすことを目的としていました。しかし、戦局の悪化に伴い、資材や人員の不足に悩まされることとなりました。それでも、師団は与えられた任務を遂行するため、懸命に努力を続けました。

歴代師団長

戦車第4師団の歴代師団長は以下の通りです。

名倉栞 中将：1944年（昭和19年）7月8日 - 1945年8月12日
（心得）閑院宮春仁王 少将：1945年（昭和20年）8月12日 - 1945年8月16日
名倉栞 中将：1945年（昭和20年）8月16日 -

初代師団長の名倉栞中将は、師団の編成から終戦直前までその任に当たりました。終戦直前には、一時的に閑院宮春仁王少将が師団長を務めましたが、すぐに名倉中将が復帰しています。この短期間での交代は、当時の混乱した状況を物語っていると言えるでしょう。

参謀長

戦車第4師団の参謀長は以下の通りです。

角健之 大佐：1944年（昭和19年）7月8日 - 1944年9月21日
矢野隆衷 大佐：1944年（昭和19年）9月21日 - 終戦

参謀長は、師団の作戦立案や部隊の指揮など、師団運営の中枢を担いました。角健之大佐から矢野隆衷大佐へと交代しましたが、矢野大佐は終戦までその任を務めました。

戦車第4師団の所属部隊

戦車第4師団には、以下の部隊が所属していました。

戦車第28連隊
戦車第29連隊
戦車第30連隊
戦車第4師団高射砲隊
戦車第4師団通信隊
戦車第4師団整備隊
戦車第4師団輜重隊
戦車第4師団機関砲隊（昭和20年4月編成）

これらの部隊は、戦車部隊を主力として、通信、整備、補給、対空戦闘など、師団の作戦遂行に必要な機能を担っていました。特に、機関砲隊は、終戦間近の1945年4月に編成されたもので、当時の防衛体制の強化を反映していると言えるでしょう。

脚注

この記述は、以下の文献に基づいています。

参考文献

外山操・森松俊夫編著『帝国陸軍編制総覧』芙蓉書房出版、1987年。
秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。

これらの文献は、戦車第4師団の編成や人事、所属部隊に関する詳細な情報を提供しています。

関連項目

大日本帝国陸軍師団一覧

この項目は、大日本帝国陸軍の他の師団に関する情報を知る上で参考になります。

戦車第4師団は、その短い歴史の中で、日本の防衛に重要な役割を果たしました。その編成、所属部隊、そして歴代の指揮官たちの名前は、歴史の中に刻まれています。

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