戸村政博

戸村政博 (とむら まさひろ)

戸村政博は1923年2月3日に生まれた、日本の著名な牧師です。彼は山口県の出身で、東京神学大学の前身である日本基督教神学専門学校を卒業後、日本基督教団の伝道委員会や社会委員会の幹事として活動しました。彼の人生は、信仰と社会正義に対する捧げられたものとして、多くの人々に影響を与えてきました。

経歴の詳細

戸村は1975年に浅草北部教会の牧師に就任し、その後日本堤伝道所に移ります。彼は教団内で、紀元節復活反対や戦争責任告白発表などの運動を推進し、宗教の役割や信仰のあり方を問い直す重要な活動を行いました。また、1983年には教団靖国神社問題特別委員会の委員長を務め、日本社会におけるキリスト教の立場を明確にするための取り組みを行いました。

著作活動

戸村政博の著作は多岐にわたります。彼は1970年に『キリストのかたちなるまで 苦難と形成』を発表し、その後も『キリスト者と政治』（1971）、『いま、Xデーを考える』（1988）、『日本はどこへ行くのか 天皇と神道と戦争責任』（1989）など、宗教と社会に関する重要なテーマを掘り下げた作品を次々と世に送り出しました。特に『靖国闘争 終りなき自由への戦い』（1970）など、靖国問題に関する著作は、彼の信仰の中での誠実な考察を反映しています。

また、共編著として『日本人と靖国問題 続・靖国闘争』（1971）や『神社問題とキリスト教』（1976）なども手掛け、宗教と国家、歴史における複雑な関係を問いかけています。

翻訳活動

戸村は自身の著作のみならず、翻訳活動にも従事し、外国のキリスト教文献を日本に紹介しました。1963年にはH.H.シュライらの『聖書における法と正義』を西田進との共訳で発表しました。これにより、国内外の聖書解釈や宗教的な思索が日本の牧師たちに与える影響を広げました。

最後に

戸村政博の活動は、単なる宗教的な使命に留まらず、社会的な責任を問う姿勢が見られます。彼は教団内での活動を通じて、信仰がどのように社会に影響を及ぼすかを示す重要な役割を果たし、教会と社会との相互関係を考えるための議論の場を提供しました。彼の著作や活動は、多くの人々にとって、信仰と社会の接点を考えるための貴重なリソースとなっています。

もう一度検索