戸隠流

戸隠流について

戸隠流（とがくしりゅう）は、日本の忍術の一派で、その起源は伝説や歴史に根ざしているとされます。流派の始祖に関する話は、異勾という亡命中国人が伝説上の創始者とされる一方で、歴史的には平安時代の末期に木曾義仲に仕えた仁科大助（戸隠大助）が挙げられます。しかし、これらの情報は文献による確認がないため、歴史的な信憑性は疑問視されています。

木曾義仲が源義経に命を奪われた後、戸隠流の始祖は伊賀に逃れ、伊賀流の技術を取り入れつつ独自の忍術を完成させたと言われています。

初見良昭と武神館

戸隠流の34代目宗家は初見良昭で、彼は戸隠流を含む複数の流派を持つ武道団体「武神館」の運営者でもあります。初見は九流派を融合した総合武道の習得を掲げ、多くの弟子を育成しています。2019年には、テレビ朝日の番組「世界忍者戦ジライヤ」での指導から俳優の筒井巧が35代宗家に任命され、注目を集めました。

戸隠流は日本国内だけでなく、特に欧米においても多くの弟子を持つことで知られています。1980年代には、ショー・コスギが出演したニンジャアクション映画の影響もあり、米国では50以上の道場が存在するとされ、10万人以上の門下生を有していました。さらには、初期のUFCに戸隠流の弟子を名乗る現役警官も参加していたことが、流派の認知度を高める要因となっています。

訓練分野と武芸

戸隠流の訓練内容は多岐にわたります。初見良昭が提唱する「忍者八門」や「教門」などがあり、これらは流派に関係なく必要とされる必修科目です。また、戸隠流は「武芸十八般」を基にした「十八門」と呼ばれる18種類の技術を習得することを重視しています。具体的な内容としては、骨法術、気合術、剣術、手裏剣術、火術、槍術、遊芸といった技術が含まれます。

歴史的信憑性と系譜

流派の系譜は32代宗家の戸田真竜軒、33代の高松寿嗣によって整理されましたが、その信憑性に関しては疑問が提示されています。いずれにしても、戸隠流の近代以前の歴史は、研究者によって「潤色を加えた、苦心の労作」とされ、初見良昭自身もその歴史的裏付けが存在しないことを認めるまでに至ります。

関連情報

戸隠流は多くのメディアや文化作品の中でも取り上げられています。特に、テレビ番組「世界忍者戦ジライヤ」では、初見良昭が宗家としての役割を果たし、筒井巧が主人公となるなど、流派と芸能の融合が実現しました。

さらに、隠の王などの作品でも忍の一派として取り上げられ、戸隠流の知名度をさらに高めています。

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