手天童子

手天童子

『手天童子』（しゅてんどうじ）は、永井豪とダイナミックプロによって『週刊少年マガジン』（講談社）に1976年から1978年まで連載された漫画作品です。

概要

本作は、永井豪が『デビルマン』、『バイオレンスジャック』に続いて発表した伝奇ロマン作品であり、緻密に練られた伏線と、それらが結末に向けて収束していく構成が特徴です。作者自身が、執筆中に祟りとも思える現象に見舞われたと語るほど、異様な雰囲気をまとっています。

あらすじ

結婚報告のため墓参りに訪れた柴夫妻の前に、鬼の手から赤ん坊を守る戦鬼が現れます。戦鬼は夫妻に「15年後に迎えに来る」と告げ、赤ん坊を託します。夫妻は「子郎」と名付け、大切に育てますが、15年後から子郎の周りで奇怪な現象が起こり始めます。

主な登場人物

手天童 子郎（しゅてんどう ジロー）
主人公。戦鬼に守られ現代に現れた鬼の子。柴夫妻に育てられ、成長と共に鬼の力に目覚め、数奇な運命に翻弄されます。最終的には鬼獄界を旅し、未来や過去を経て現代に戻ります。
柴 竜一郎（しば りゅういちろう）
子郎の養父。寺で出会った赤ん坊を我が子として育て、子郎にまつわる謎を追います。
柴 京子（しば きょうこ）
子郎の養母。子郎を深く愛するが、子郎が鬼獄界へ旅立ったことで精神を病んでしまいます。彼女が描く絵が物語の重要な鍵となります。
白鳥 美雪（しらとり みゆき）
子郎に好意を寄せる少女。戦いに巻き込まれながらも、子郎への一途な愛情を貫きます。
白鳥 勇輔（しらとり ゆうすけ）
美雪の兄。妹を溺愛し、子郎と共に戦いますが、壮絶な最期を迎えます。
大山 直次郎（おおやま なおじろう）
関東一円を取り仕切る代紋組組長の跡取り。実は「手天童子」を守ってきた護鬼の子孫。
無双 力 （むそう りき）
元女子プロレスラー。「手天童子」を守ってきた護鬼の子孫。
無双 ユウ （むそう ゆう）
無双力の妹。「手天童子」を守ってきた護鬼の子孫。
梶 工作 （かじ こうさく）
「手天童子」を守ってきた護鬼の子孫。ESPの持ち主。
小谷 椰子夫 （こや やしお）
「手天童子」を守ってきた鬼の子孫。怪力の持ち主。
種村先生（たねむら）
子郎たちの担任教師。「暗黒邪神教」に捕らえられ人質にされる。
鬼谷（きたに）
新任の生物教師。「暗黒邪神教」の魔導師。
邪腕坊 苦海（じゃわんぼう くかい）
「暗黒邪神教」争魔衆の1人。
魔邪利 妖念（まじゃり ようねん）
「暗黒邪神教」の宗主。
アイアンカイザー
邪腕坊苦海の息子。子郎を父の仇と狙うサイボーグ戦士。
戦鬼
子郎を柴夫妻に託した巨大な鬼。常に子郎を見守り、共に戦います。
護鬼
子郎と共に戦う鬼。子郎を導き、支えます。

物語の世界観

鬼獄界（おんごくかい）
京子の怨念と愛情が具現化した異形の星。鬼たちの世界。
結命党
鬼を崇拝する不良たちの集団。
暗黒邪神教
鬼の血を引く者たちの教団。
大暗黒死夜邪来
邪神教の本尊であり、鬼獄界の創造主。

書籍情報

KCマガジン 全9巻 講談社
KCスペシャル 全5巻 講談社
豪華愛蔵版 全6巻
扶桑社文庫 全6巻 扶桑社
講談社漫画文庫 全4巻 講談社

小説

永井泰宇によるノベライズ版があります。

アニメ

OVA全4巻がリリースされています。

リメイク作品

夏元雅人によるリメイク作『降魔伝 手天童子』が『チャンピオンRED』で連載されました。

関連項目

バイオレンスジャック - 同じ永井豪の作品で、リッキーやアイアンカイザーが登場するエピソードがあります。
* マジンカイザーSKL - OVA。アイアンカイザーが敵のロボットとして登場します。

もう一度検索