投げゴマ

投げゴマとは

投げゴマは、独楽の分類において、回し方によって区別される種類の一つです。胴体に紐を巻きつけ、その勢いを利用して独楽を回転させるものを指します。別名、紐巻きゴマとも呼ばれます。

投げゴマの特徴

投げゴマは、紐を巻き付けて投げるという特性上、ある程度の練習が必要です。ひねりゴマや糸巻きゴマに比べると難易度は高いですが、その分、上手に回せた時の達成感も大きいです。日本では、独楽の代表的なイメージとして投げゴマが浸透しており、正月のイラストなどにもよく描かれています。

形状と構造

投げゴマには様々な種類があり、その形態も一様ではありません。しかし、多くの投げゴマに共通する特徴として、胴体下面が逆円錐形、またはそれに近い曲面になっている点が挙げられます。この部分に紐を巻き付けて回転させるのが基本的な構造です。

一般的な形状:
木製またはブリキ、プラスチック製
平らな円筒形の胴体
上面は平坦または中央が窪んでいる
下面は浅い逆円錐形
中心に鉄芯が貫通
郷土玩具の投げゴマ:
木製の軸を持つものが多い
大山ゴマのように全体が木でできたものも
ズグリゴマのように雪上で回すための工夫が凝らされたものも
海外の投げゴマ:
楕円形で下側に尖った胴体を持つもの（佐世保独楽など）
上面が丸く、下に逆円錐にとがった形状で、下端に短い軸が打ち込まれているもの

回し方

投げゴマを回すには、まず独楽の胴体に紐を巻き付けます。巻き方にはいくつかの種類がありますが、一般的なのは、軸に紐の端を引っ掛け、胴体の下側に螺旋状に巻き付けていく方法です。紐を巻き終えたら、紐の端を手で持ち、独楽を前方に投げ出します。この時、独楽が回転しながら飛び出すように、少し引き戻すようにすると、より強い回転が得られます。

遊び方

投げゴマは、単に回すだけでなく、様々な遊び方ができます。

技に挑戦: 投げた独楽を手のひらで受け止めたり、紐の上を渡らせたりするなどの高度な技に挑戦するのも楽しみの一つです。
競争: 複数人で集まって、誰がより長く回せるか、またはより難しい技ができるかを競い合うのも面白いでしょう。
喧嘩ゴマ: 互いに独楽をぶつけ合い、どちらが最後まで回り続けるかを競う遊びもあります。鉄胴ゴマやベーゴマはこの遊びによく使われます。

歴史

独楽は世界各地で独自に発生したと考えられており、その多くはぶちゴマ（鞭で叩いて回す独楽）が最初期に登場しています。投げゴマは、ぶちゴマから発展したと考えられています。

日本では、江戸時代中期まではぶちゴマが主流でしたが、その後、投げゴマが普及し、江戸時代の終わり頃にはほとんど見られなくなりました。明治時代から昭和時代にかけて、投げゴマは子供のおもちゃとして全盛期を迎えました。

しかし、昭和末期以降、テレビゲームなどの普及により、投げゴマの人気は徐々に衰退しています。近年では、独楽回しを推進するグループなどが、子供の遊びに独楽を復活させるべく、講習会などを開催しています。

特殊な例

投げゴマの中には、特殊な機能を持つものも存在します。例えば、軸が胴体と別に回るように工夫されたものや、磁石の力で宙に浮くものなどがあります。また、鳴りゴマや色変わりゴマのように、音や色の変化を楽しめる投げゴマも存在します。

まとめ

投げゴマは、日本の伝統的な玩具であり、子供から大人まで幅広い世代に親しまれてきました。その多様な形状、回し方の奥深さ、そして様々な遊び方を通じて、多くの人々に楽しまれてきたのです。近年、その人気は衰えつつありますが、独楽回しを推進する人々の努力によって、再び注目を集めつつあります。

さあ、あなたも投げゴマの世界に足を踏み入れて、その魅力を体験してみませんか？

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