投資事業有限責任組合

投資事業有限責任組合の解説

投資事業有限責任組合（Investment Limited Partnership）は、日本において、投資を行うために設けられた特別な組合契約です。この制度は、1998年に導入された中小企業等投資事業有限責任組合契約に関する法律（通称LPS法）に基づいています。この法律の施行により、日本国内での投資活動はより円滑に行えるようになりました。

従来の投資形態の課題

日本では、従来、投資ファンドを設立する際には民法上の任意組合や商法上の匿名組合が主に用いられていました。しかし、任意組合の形式では、業務を執行しない組合員が無限責任を負うという特性があり、これが結果的に投資行動の制約につながっていました。このため、投資ファンドの設立が進まず、より柔軟な形態が求められるようになりました。

LPS法の導入

このような経緯から、無限責任組合員と有限責任組合員を明確に区別することにより、投資ファンドの設立を促進しようとする動きが生じました。1998年にはLPS法が施行され、これにより投資事業有限責任組合が正式に認められました。この制度では、業務を執行する無限責任組合員が組合の債務に対して無限責任を負い、出資のみを行う有限責任組合員は自らの出資額に限定された責任を持つことが明記されています。

投資対象の拡大

その後、2002年には投資対象が有限会社や匿名組合に拡大され、2003年には事業再生企業についても適用が拡大されました。さらに、2004年には上場会社への出資や債権の取得・融資も許可され、法律の名称も変更されるなど、制度の整備が進みました。この際、投資者保護の観点から、証券取引法による規制の適用を受けることになりました。

組合の成立と財産

投資事業有限責任組合は、無限責任組合員と有限責任組合員の間で結ばれる契約によって成立します。総組合員の持分は合有財産となり、これにより組合の財務基盤が形成されます。

組合員の地位および責任

各組合員は基本的にやむを得ない場合を除いて脱退できず、組合員の地位を他の組合員の同意なしに譲渡することもできないとされています。責任の面では、無限責任組合員は組合の債務に無限責任を負う一方、有限責任組合員は自身の出資額を限度とした責任を負っています。ただし、誤認を招く行為によって業務を執行したとされる場合には、無限責任を負うこともあります。

参考文献

• - 投資事業有限責任組合法に関する資料

関連項目

• - 匿名組合
• - 有限責任事業組合

外部リンク

• - 投資事業有限責任組合契約に関する法律 (経済産業省公式サイト)

このように、投資事業有限責任組合は日本における新たな投資形態として、より積極的な投資機会を広げる役割を果たしています。

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