抱きあって

シングル「抱きあって」について

1987年9月1日にリリースされたチューリップのシングル「抱きあって」は、彼らの通算33枚目のシングルです。この曲はチューリップにとって、第三期の唯一のオリジナル楽曲であり、以前のアルバムからのリカットではない点が特徴です。また、このシングルは初めて3曲を収録したもので、CD形式でもリリースされました。

バラードの制作背景

「抱きあって」は、当時の日本のロック系バンドの多くがバラードを発表していなかったため、バラードとしての意識を強く持って制作されました。メンバーに加えて、サポートメンバーの北原拓がコーラスで参加しており、ライブではサビ前の一フレーズを一人で歌う場面が印象的でした。また、シングルのリリース時にはドラマーの松本淳が脱退しており、チューリップは再び4人編成になっていました。

収録曲について

このシングルCDには全曲作詞・作曲を財津和夫が手掛けた楽曲が収められています。

1. 抱きあって

この曲は、編曲をチューリップの京田誠一が担当しました。深い感情を表現したメロディが特徴的で、聴く者に強い印象を残します。

2. セプテンバー

「セプテンバー」は、1974年に発表された楽曲のセルフカバーです。大きなアレンジ変更が施され、一部の歌詞にも手が加えられました。当初、「青春の影」もセルフカバー候補として挙がりましたが、バラード同士の競合が影響し、収録は見送られたようです。この楽曲はCD版及びシングルカセットにのみ収録されており、後のボックスセットには含まれないため、現在は入手が難しい状況です。

3. Primary Color

こちらの楽曲は、同年6月に発表されたアルバム『PRIMARY COLOR』の表題曲です。財津と新メンバーの高橋裕幸によるツインボーカルが特徴で、レコーディング時には春名正治がサックスを演奏しています。

クレジットと製作チーム

このシングルのプロデュースは財津和夫が担当し、監督はTRIADの岡田賢が行いました。また、レコーディングとミキシングは省く株式会社の和田出身ました。

まとめ

「抱きあって」は、チューリップの音楽の中でも特にバラードに特化した作品として、高い評価を得ている楽曲です。音楽シーンにおいて貴重な存在であり、特にサポートメンバーの重要な役割や、その背景にあるストーリーなど、音楽だけでなく、その全体を通じて楽しめる魅力があります。

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