押田茂實

押田茂實：日本の法医学をリードする第一人者

押田茂實氏は、1942年生まれの日本の医師、法医学者であり、日本大学名誉教授の肩書きを持ちます。長年に渡り、医療事故や犯罪捜査に携わり、日本の法医学の発展に大きく貢献した人物として知られています。

専門分野と鑑定実績

押田氏の専門分野は多岐に渡り、医療事故の現状分析と予防対策、DNA型鑑定、そして中毒の代謝に関する研究などが挙げられます。特にDNA型鑑定においては、日本の第一人者としてその名を馳せています。数々の著名な事件において、氏の鑑定が重要な役割を果たしました。

具体的には、保土ヶ谷事件（監察医による鑑定書作成の疑惑）、東電OL事件、足利事件、そして飯塚事件など、社会に大きな衝撃を与えた事件のDNA鑑定に携わっています。これらの事件における鑑定は、事件の真相解明に大きく貢献し、司法判断に影響を与える重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

キャリアと学術活動

埼玉県出身の押田氏は、東北大学医学部を卒業後、法医学の道を選びました。東北大学医学部助手、助教授を経て、日本大学医学部教授に就任。日本大学においては、企画担当、倫理委員会委員長、学生担当、次長などを歴任し、教育と研究の両面で活躍しました。2011年には日本大学名誉教授となりました。

その間、数多くの学術論文を発表し、医療事故に関する著書も多数出版しています。主な著書には、『医療事故：知っておきたい実情と問題点』、『外科病棟・手術室のリスクマネジメント』、『実例に学ぶ医療事故』、『法医学現場の真相』、『法医学者が見た再審無罪の真相』などがあります。これらの著書は、医療関係者のみならず、一般の人々にも医療事故や法医学の重要性を啓蒙する役割を果たしています。さらに、ビデオやCD-ROMなども制作しており、多様なメディアを通じて、医療事故予防やリスクマネジメントに関する知識の普及に努めてきました。

人物像

意外なことに、高校時代は文化系の科目が得意で、将来は弁護士か外交官を志望していたといいます。しかし、法医学への関心が強まり、現在のキャリアへと繋がっていったのです。また、「だしお先生」という愛称で親しまれていることからも、人柄のよさが伺えます。

所属学会

押田氏は、日本医事法学会、日本法医学会、日本賠償科学会など、数多くの学会に所属し、理事や副理事長などの要職を務めてきました。これらの活動を通じて、法医学の発展と社会への貢献に尽力しています。

まとめ

押田茂實氏は、長年に渡り第一線で活躍してきた日本の法医学の第一人者です。その専門知識と経験は、医療事故の予防や司法における真実解明に大きく貢献してきました。数々の功績と幅広い活動は、日本の法医学界に大きな足跡を残したと言えるでしょう。今後の更なる活躍にも期待したいところです。

もう一度検索