拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律

拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律

この法律は、北朝鮮当局による拉致をはじめとする深刻な人権侵害問題に対応するための日本の法制度を規定しています。正式名称は「拉致問題その他北朝鮮当局による人権侵害問題への対処に関する法律」となり、省略して「北朝鮮人権侵害対処法」とも呼ばれることがあります。

法律の目的と内容

この法律では、政府および地方公共団体の責務を明確にし、北朝鮮における人権状況の改善を促すための様々な措置が求められています。主な内容としては、以下のような項目が挙げられます。

1. 啓発活動の実施：政府は北朝鮮における人権侵害問題に関する啓発週間を設定し、一般市民に対する意識を高める取り組みを行うこと。
2. 年次報告：政府は北朝鮮の人権状況に関する年次報告を作成し、その内容を公表する義務があります。
3. 国際連携の強化：他国や国際機関との連携を強化し、北朝鮮の人権侵害に対抗するための国際的な取り組みを進めること。
4. 必要な措置の実施：人権侵害状況が改善されない場合、特定の船舶の入港禁止や、外国為替及び外国貿易法に基づく措置を講じることが求められています。

これにより、日本政府は北朝鮮に対してより強い姿勢を示すことが期待されます。また、諸外国や国際機関に対しても、日本の立場を訴えかけることが定められています。

立法経緯

この法律は2006年6月16日に参議院本会議で可決され、同年の6月23日に公布されました。その後、政府が北朝鮮に対する新たな経済支援を行うことを制限する改正法が2007年に成立しました。この改正は、拉致問題の解決が進展しない限り経済支援を行わないことを明記しており、与党各党の賛成により可決されました。

立法の流れ

• - 2006年6月13日：衆議院本会議で可決
• - 2006年6月16日：参議院本会議で可決
• - 2006年6月23日：法律公布
• - 2007年6月19日：衆議院本会議で改正案可決
• - 2007年6月27日：参議院特別委員会で改正案可決
• - 2007年6月29日：参議院本会議で改正案可決
• - 2007年7月6日：改正法公布

このように、法律の制定から改正に至るまでの過程を辿ることにより、日本政府の北朝鮮に対する姿勢や人権問題への取り組みが明らかになります。日本政府は現在、朝鮮民主主義人民共和国を国家として承認していないため、正式に「北朝鮮」という名称を法律名に使用しています。

参考資料

• - 日本法令索引（国立国会図書館HP）
• - 米国の「2004年北朝鮮人権法」

この法律は、国際的な人権の確保に向けて重要な意義を持つものであり、日本の立場を国際社会において強調するための基盤を築いています。

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