指名手配 (テレビ番組)

指名手配

『指名手配』は、2004年10月6日から2005年3月30日まで、テレビ朝日の深夜枠で放送されていた独自のバラエティ番組です。正式名称は「この顔にピン!ときたら指名手配」と題され、お笑いコンビ・さまぁ〜ず（大竹一樹、三村マサカズ）とオセロの松嶋尚美が司会を務めました。

この番組の最大の特徴は、毎週異なるゲストの芸能人を「指名手配犯」に見立て、その人物に関する様々な情報を視聴者から募るという、ユニークなコンセプトにありました。あたかも犯罪者の手配写真のように、ゲストの写真が提示され、視聴者に対して彼らの日常生活における目撃情報や知られざるエピソードの提供が呼びかけられました。

番組は、司会の三人（さまぁ〜ずと松嶋尚美）と、その週の「指名手配」ターゲットとなったゲスト芸能人とのスタジオトークを中心に進行しました。視聴者からライブドアサイト内に設けられた番組公式ページを通じて寄せられた情報は、番組内で紹介され、その内容についてゲスト本人に直接問い質す形が取られました。これにより、普段は見聞きできないような芸能人の意外な一面や、情報の真偽、さらにはその背景にあるエピソードなどが明らかになっていきました。

情報提供のシステムも特徴的でした。視聴者からの投稿は厳選され、番組で採用された情報には、その提供者に対して報奨金が支払われました。これは、視聴者が番組制作に積極的に関わるインセンティブとなり、より多くの情報が集まる仕掛けとして機能しました。視聴者は単なる傍観者ではなく、番組の進行に影響を与える重要な参加者となっていたのです。

さらに、番組にはもう一つユニークな企画がありました。ゲストとして登場した芸能人の私物を、番組側が「押収」するというものです。もちろん、これは番組上の演出であり、実際に法的な手続きが取られるわけではありませんが、その「押収」された私物は、後にライブドアが主催するチャリティーオークションに出品されました。番組を見ていた視聴者は、気に入ったゲストの私物を手に入れるチャンスを得られるだけでなく、オークションの収益がチャリティーに充てられるという点でも、社会貢献の一端を担うことができました。このような企画は、番組のエンターテイメント性を高めつつ、視聴者の関心を引きつけ、番組への参加意欲を刺激する効果がありました。

番組を彩る音楽として、エンディングテーマには湘南乃風の楽曲『L.A.P.〜One Love〜』が使用されていました。

制作体制は、テレビ朝日とイーストが共同で担当。構成作家には北本かつら氏などが名を連ね、ディレクターは手塚公一氏、佐藤俊一郎氏らが務めました。技術面ではヌーベルバーグ、ヌーベルPC、クジラノイズが、美術面ではアイエヌジーが協力しており、多くのスタッフによって支えられていました。

『指名手配』は、深夜番組らしい自由な発想と、視聴者を巻き込む参加型の企画、そして司会とゲストの絶妙なトークによって、短期間ながらも印象を残したバラエティ番組と言えるでしょう。芸能人の素顔を引き出す手法として、「指名手配」という斬新なコンセプトが見事に機能した例です。

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