指輪の仲間

指輪の仲間（Fellowship of the Ring）

J・R・R・トールキンの傑作ファンタジー『指輪物語』に登場する「指輪の仲間」は、物語の中核をなす存在です。一つの指輪を破壊するという重大な使命を背負い、フロド・バギンズを中心に、様々な種族から選ばれた9人の勇士たちが集いました。彼らの冒険は、友情、勇気、そして指輪の誘惑との戦いを描いています。

結成

第三紀3018年、裂け谷で開催された「エルロンドの会議」において、一つの指輪の危険性が明らかになり、その処遇が決定されました。指輪をモルドールの滅びの罅裂へ運び、破壊するという困難な使命を果たすため、エルロンドはフロドを運び手に、そして彼の供としてサムを選びました。

さらに、指輪の幽鬼の数に対抗するため、総勢9名の「指輪隊」が結成されました。フロドとサムに加え、魔法使いのガンダルフ、エルフのレゴラス、ドワーフのギムリ、人間のアラゴルンとボロミアが選ばれました。そして、フロドの友人であるホビットのメリーとピピンが、ガンダルフの推薦によって加わることになりました。

12月25日、9人の仲間たちは裂け谷を出発し、危険な旅路へと足を踏み入れました。

メンバー

フロド・バギンズ: 指輪の所持者。ビルボの養子であり、指輪を受け継いだ。
サムワイズ・ギャムジー: フロドの忠実な従者であり、庭師。
メリアドク・ブランディバック: 教養あるホビットであり、フロドの親族。
ペレグリン・トゥック: まだ若いホビットであり、フロドの親族。
ガンダルフ: 魔法使いであり、一行の指導者。
アラゴルン: 北方王国の末裔であり、放浪者。
レゴラス: エルフであり、弓の名手。
ギムリ: ドワーフであり、戦士。
* ボロミア: ゴンドールの勇猛な戦士。

旅路と離散

指輪の仲間たちは、様々な困難に立ち向かいながら旅を続けました。しかし、指輪の力は徐々に仲間たちの心を蝕み、ついにはボロミアが指輪の誘惑に負け、フロドを襲撃するという悲劇が起こります。

この事件をきっかけに、指輪隊は離散してしまいます。フロドとサムは単身モルドールへ向かい、メリーとピピンはオークに捕らえられ、アラゴルン、レゴラス、ギムリは彼らを追跡します。

再会とその後

離散した指輪隊でしたが、その後、奇跡的な再会を果たします。ガンダルフは「白のガンダルフ」として復活し、アラゴルンたちと合流。メリーとピピンはエントに保護され、サルマンの砦で再会を果たします。

フロドとサムは、スメアゴル（ゴラム）を道案内とし、モルドールに潜入。数々の苦難を乗り越え、ついに一つの指輪を滅ぼすことに成功します。

サウロン滅亡後、ボロミアを除く仲間たちはイシリエンで再会し、互いの絆を確かめ合いました。その後、彼らはそれぞれの道を歩み始めますが、「指輪の仲間」としての絆は長く続きました。

フロドとガンダルフは、第三紀の終わりに不死の国へと旅立ちました。サムはホビット庄に戻り、庄長として活躍した後、西方へと旅立ちました。アラゴルンは再統一王国の王となり、120年間統治した後、息子のエルダリオンに王位を譲りました。

レゴラスとギムリは、アラゴルンの死後、共に不死の国へ船出しました。こうして、指輪の仲間たちは中つ国から姿を消しましたが、彼らの勇気と友情は、永遠に語り継がれることでしょう。

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