捕獲岩

捕獲岩（ゼノリス）とは

捕獲岩（ほかくがん、xenolith、ゼノリス）とは、火成岩中に取り込まれた、周囲とは異なる種類の岩石片のことです。マグマが地下深くから上昇する際に、周囲の岩盤を破壊・取り込み、そのまま固結することで形成されます。ギリシャ語で「異質な石」を意味する「xenos」と「石」を意味する「lithos」に由来する言葉です。

捕獲岩の成因

捕獲岩は、マグマが上昇する過程で、周囲の岩石を剥ぎ取ったり、岩盤の割れ目に流れ込んで取り込んだりすることで形成されます。取り込まれた岩石片は、マグマの熱によって加熱され、変成作用を受けることがあります。そのため、捕獲岩は、元の岩石とは異なる鉱物組成や組織を示すことがあります。

捕獲岩の種類

捕獲岩の種類は、取り込まれた岩石の種類によって様々です。代表的なものとしては、以下のものがあります。

マントル捕獲岩: 地球のマントルを構成する岩石（かんらん岩、エクロジャイトなど）が、マグマに取り込まれたもの。
地殻捕獲岩: 地殻を構成する岩石（花崗岩、堆積岩など）が、マグマに取り込まれたもの。

捕獲岩の重要性

捕獲岩は、地球内部の情報を得るための貴重な手がかりとなります。例えば、マントル捕獲岩を分析することで、マントルの化学組成や温度、圧力などの情報を知ることができます。また、地殻捕獲岩を分析することで、マグマが通過してきた地層の情報を知ることができます。

捕獲岩の研究

捕獲岩の研究は、地球科学の様々な分野で行われています。例えば、岩石学者は、捕獲岩の鉱物組成や組織を詳しく調べることで、マグマの生成過程やマントルの構造を解明しようとしています。また、地球化学者は、捕獲岩の化学組成や同位体比を分析することで、マントルの起源や進化を研究しています。

参考文献

北海道大学総合博物館山本順司. "マントル捕獲岩とは？".

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