捕語

捕語について

捕語（ほご）とは、特に古い西洋の装丁本において、各ページの下部に印刷されている言葉や語句を指し、次のページにどのような語句が登場するかを示すものです。このような語句は、時には一つの単語であったり、複数の語句から成ることもあります。

この捕語を利用することにより、読者は前のページと次のページの関係を一目で理解できるようになり、また製本時にはページの順序を確認するための助けにもなります。これにより、ページの乱丁を防ぐための重要な慣習ともいえます。

歴史的には、捕語の起源は中世の写本にまで遡ります。15世紀末には出版物にも現れ、この習慣は16世紀中頃から広まりを見せました。そして、18世紀末に産業的印刷技術が普及するまでは、この捕語の慣習が続いていたのです。

捕語の印刷方法

捕語は、基本的には版面の右側に印刷されますが、印刷所によってそのパターンは異なることがあります。例えば、すべてのページに印刷することもありますし、折り丁（英: quire）単位で最後の裏ページのみに印刷する場合や、折記号以外のページにおいては反対側の裏ページ（英: verso）に印刷されることもあります。

このように、捕語の配置や印刷方法にはさまざまなバリエーションが存在し、時代や地域によりそのスタイルが異なっていたのです。

古代からの伝統

この捕語の概念に似たものは、古希や古代ギリシャのパピルスの巻物、及びコデックス写本の中にも見受けられます。これらの文書では、次の巻や冊子の最初の数語を本文の章末に配置する、レクラマンス（ラテン語: reclamans）という形式が存在しました。これは読者が文献を迅速に確認し、効率よく読書を行うためのものでした。

レクラマンスの使用は特にホメロス叙事詩のパピルスに見られますが、紀元前1世紀頃にはこの習慣も廃れたと考えられています。

昔は書籍の題名を書くことが十分に普及しておらず、インキピットという表現方法が用いられていましたが、巻物にタイトルを印刷する習慣が広がることにより、レクラマンスは徐々に姿を消したとされています。しかし、散文作品ではこの捕語のような慣習が残っており、ヘロドトスの『歴史』や『ヒポクラテス全集』などの中世の写本にその名残を見ることができます。

結論

捕語は古典的な出版物における重要な要素であり、読者に対する情報提供及び製本時の助けとして、長い歴史を持つ文化的な慣習です。現代においてはページ番号など、似た機能を持つシステムが多く存在しますが、捕語が果たしていた役割の重要性は、今でも多くの研究者や愛好者にとって意義深いものとなっているでしょう。

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