捨て身のならず者

映画『捨て身のならず者』

『捨て身のならず者』は1970年5月1日に公開された日本映画で、監督は降旗康男、主演は高倉健が務めました。この作品は、復讐をテーマにしたシリアスな物語が展開され、観客に深い印象を与えています。上映時間は97分、配給は東映です。

ストーリーの概要

物語は東京を舞台に、週刊誌の記者・矢島が主人公です。彼は暴力団・大和会の腐敗を告発する記事を連載していました。しかし、編集部は圧力に屈し、最終記事の掲載を取りやめます。その後、情報源でもあった大和会の組員・宮崎が殺され、矢島は冤罪で逮捕されてしまいます。五年間の服役中に、矢島の妻・佳代が交通事故で亡くなり、矢島はこの事故が大和会による報復であると確信します。

服役中、矢島は囚人たちから、大和会の組長・大和田が死んだとの噂を耳にしますが、その背景には警察との結託があったことを知る由もありません。出所後、矢島は酒に溺れる日々を送りますが、大和会は新たな悪事を計画中です。幹部の唐沢たちは大和田の隠し子、真佐子の誘拐を計画し、矢島は彼女を偶然かくまうことになります。

真佐子と話すうちに、矢島は彼女と大和田とのつながりを察知します。真佐子は父親との再会を果たせず、矢島に寄り添うようになりますが、やがて矢島は彼女に真実を告げ、大和田が自分の妻の敵であることを伝えます。

復讐の計画

矢島は佳代の兄である新聞記者・野沢とともに、大和田の墓を探し出しますが、棺桶には砂袋しか入っていないことが判明し、大和田の生存を確信します。その後、唐沢たちは矢島の家を襲撃し、真佐子を誘拐、身代金を要求します。大和田はこのことに気づき、呼び出しに応じますが、それは全て唐沢たちの罠であり、彼らは大和田を利用して権力を奪う計画を進めていました。

そして、矢島は唐沢の手下に狙われますが、逆境を跳ね返し、武器を奪うことに成功します。真佐子との再会もあり、彼女は父親を非難しますが、大和田は彼女の言葉を軽視し、自身の隠れた側近に命じて唐沢たちを抹殺させます。

物語の結末

矢島は最後に大和田と対峙し、復讐を遂げる決意を固めます。彼は「それがあんたの本当の姿だ」と叫び、復讐の念を果たします。真佐子は無言で、矢島が逮捕される様子を見守ります。この映画は、復讐や裏切り、そして人間の道徳に対する鋭い問いかけを行う作品として、多くの人々の記憶に刻まれています。

主なキャスト

• - 矢島：高倉健
• - 真佐子：浜美枝
• - 大和田健一郎（大和会組長）：水島道太郎
• - 板倉（大和会幹部）：今井健二
• - 唐沢（大和会幹部）：山本麟一
• - 野沢：宍戸錠

この作品は現在でも高倉健ファンや日本映画ファンによって親しまれており、復讐劇の名作として語り継がれています。

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