捨堕

捨堕（しゃだ）について

捨堕は、仏教の出家者である比丘（男性）と比丘尼（女性）が守るべき戒律の一つで、特に所有物に関する禁戒の総称です。この戒律は、出家者としての生活を送る際に必要な決まりごとであり、30の規則が存在します。これらの規則は、出家者が物質的なものに執着せず、精神的な修行に専念できるように設けられています。

捨堕の意義

出家者は、修行によって自己を高めることを目的としており、物質的な所有物の管理に不適切である場合には、「捨」と「堕」の二つの罪を犯すことになります。「捨」は抵触した物品を放棄することを指し、「堕」は戒律を守れなかったことによって得られる罪となります。この名称の由来は、物を所有した結果、出家者が追求すべき道から外れてしまうという警告を含んでいます。

告白制度も重要な要素であり、サンガ（4人以上の仲間）や2、3人の衆、あるいは長老の前で罪を告白する必要があります。この手続きによって、罪が正式に成立し、受理されることで僧権が復活します。一方、常習的に違反をする者に対しては、「挙罪羯磨」と呼ばれる特別な制度が設けられ、個別の告発や裁判が実施されます。

比丘の三十捨堕

実際の戒律は具体的で、比丘および比丘尼それぞれに30の規則があります。以下は比丘に関する捨堕の例です：

1. 長衣過限 - 所持期限を過ぎた衣料品。
2. 離三衣 - 三衣を離れた状態で夜を過ごすこと。
3. 月望衣 - 袈裟には足りない布を一ヶ月以上所持すること。
4. 使非親尼浣故衣 - 親類でない比丘尼に洗濯をさせた衣。
5. 受非親尼衣 - 親類でない比丘尼から受け取った衣。

このように、捨堕には様々な具体例がありますが、すべての項目に共通しているのは、出家者としての誠実な生活を維持するための要件であるということです。これらの戒律は、日常生活の中で出家者が物質に頼らず、精神的な成長を促進するための指針となっています。

結論

捨堕は、仏教の戒律の中で特に重要な位置を占めています。所有物に関する禁戒によって、出家者は精神的修行に集中し、物質的な執着を手放すことが求められます。この戒律を守ることが、出家者としての正しい道を歩むために必要な要素であり、仏教の教えを実践する上での大切な指針となるのです。

参考文献

• - 『「パーリ律」捨堕法に説かれる羯磨』 - THAN VAN VAN

関連項目

• - パーリ律 - 経分別

外部リンク

• - Bhikkhu Pāṭimokkha > Nissaggiya Pācittiya - Access to Insight
• - Bhikkhunī Pāṭimokkha > Nissaggiya Pācittiya - Access to Insight

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