探偵を捜せ

探偵を捜せ

『探偵を捜せ』は、1948年に刊行されたパトリシア・マガーの推理小説であり、サスペンスが凝縮された作品です。物語はコロラドの山荘を舞台にしており、サスペンスに満ちたストーリーが展開されます。

物語の概要

主人公のマーゴット・ウェザビーは、富裕な夫フィリップを毒殺し、彼が残した遺産を手に入れようとする心の葛藤を抱えています。しばしの自由と豊かさを夢見る彼女ですが、実際には自らの行動に対する恐怖と罪悪感に苛まれています。しかし、夫が死去するその夜、山荘に滞在した謎の探偵が何者なのか、彼女は知りませんでした。この探偵こそが、彼女の計画を揺るがし、彼女の足元をすくう存在となる可能性があります。

マーゴットは、探偵を捜索する中で、彼を排除する計画を練り始めます。単なる金銭の獲得ではなく、自身の自由のために他者を排除する行動が、彼女の内面においてどのように絡んでいくのか、その心の動きが本作の最大の見どころです。

登場人物

• - マーゴット（マーゴ）・ウェザビー: 主人公。病弱な夫を毒殺し、遺産を得ようとする。もともとは地方での舞台女優。
• - フィリップ・ウェザビー: 被害者であり、山荘のオーナー。裕福だが病弱な男性。
• - ジョー: 山荘の支配人で、物語の展開に重要な役割を果たします。
• - トムリンソン（トミー）: マーゴットの旧友で、彼女の身の回りの世話をしている。山荘の料理人であり女中も務める。
• - マイクル・シェルダン: 道に迷った結果、山荘に宿泊希望の男性。探偵候補の一人。
• - チャールズ（チャーリー）・ミラー: 宿泊客の中で探偵と疑わしき存在。
• - Ｒ・ダベンポート: 同じく宿泊客であり、探偵の候補者。

作品の魅力

本作の魅力は、推理の段取りとともに、登場人物の心理描写が緻密に描かれている点です。マーゴットの葛藤や、彼女が直面する選択の辛さは、読者に強く伝わります。また、彼女が探偵を探し出そうとする過程で展開されるドラマティックな緊張感は、作品全体に引き込まれます。

オープンエンドの構造になっており、最後までドキドキさせられる展開に、多くの読者を魅了してやまないことでしょう。探偵の正体、そしてマーゴットの行く末は、一度読み終えた後も記憶に残ることでしょう。

書誌情報

この作品は複数の版が存在し、特に1960年に岩谷書店から刊行された『探偵を捜せ』や、1961年の創元推理文庫版が有名です。また、異なるタイトルで刊行されたものもあり、さまざまな読者に愛されてきました。推理小説として、また人間の心理の深さを探る作品としても評価されています。

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