探偵・由利麟太郎

『探偵・由利麟太郎』は、2020年6月から7月まで放送されたカンテレ制作のミステリードラマで、原作は横溝正史の「由利麟太郎シリーズ」です。主演を務めたのは吉川晃司で、地上波の連続ドラマに初主演する作品となりました。全5話で構成され、原作の魅力を現代に再構築した新たな挑戦が展開されました。

概要

このドラマは、横溝正史が代表作として名高い「金田一耕助シリーズ」よりも前に執筆した由利麟太郎を主人公にした連続ドラマ化の試みです。原作の時代設定は昭和の戦前ですが、ドラマ内では令和にストーリーが置き換えられています。キャッチコピーは「観察すれば、真実は自ずと浮かび上がる。」という言葉に表されているように、密やかに隠された真実を探る内容が特徴です。

あらすじ

由利麟太郎は、元警視庁捜査一課長であり、犯罪心理学者でもあります。優れた頭脳を持つ彼は、ある事件をきっかけに警視庁を退職し、学生時代の思い出がある京都に戻ります。波田聡美が経営する骨董品店「加茂句堂」を拠点に、作家志望の青年・三津木俊助を助手に迎え、旧友であり京都府警の等々力警部と共に数々の難事件に立ち向かいます。

主なキャスト

- 由利麟太郎（演: 吉川晃司）

鮮やかな白髪の紳士で、深い洞察力を持ち、警察からも信頼される傑出した探偵。趣味のオペラを楽しむ一方、静かな性格でその観察力が捜査の鍵となる。

- 三津木俊助（演: 志尊淳）

由利を慕う若いミステリー作家志望。最新のIT技術にも精通し、由利の捜査をサポートするが、彼自身の小説執筆は犠牲になることが多い。

- 等々力警部（演: 田辺誠一）

京都府警の警部で由利の旧友。彼の捜査力に信頼を寄せ、協力するが、IT機器には疎い一面も。

- 波田聡美（演: どんぐり）

骨董品店の店主で、由利に好意を持つ女性。

- 山岸克平（演: 木本武宏）

出版社の編集者で、三津木を指導しながら由利とも関係を持つ。

ドラマでは、由利が特異な洞察力を駆使して次々に事件を解決していく様子が描かれ、ストーリーには多くの謎や人間関係が絡み合います。

撮影と制作

本作はすべて関西地区、特に京都で撮影され、主人公のキャラクターに相応しい趣ある街並みが背景となっています。また、現代の視点に合わせた設定の変更や、吉川自身が提案した要素も多く取り入れられています。制作には、吉川の経験が活かされ、古典的なテイストと現代的解釈が融合しています。

このドラマは、ファンからの評価も高く、放送後はSNSを通じて様々な感想や議論が交わされました。特に、吉川の演技に対する称賛の声が多かったことが印象的です。探偵物の新しい幕開けとして、多くの視聴者に親しまれる作品となりました。

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