推定無罪 (映画)

映画『推定無罪』の概要

1990年に公開された『推定無罪』（英題：Presumed Innocent）は、著名な作家スコット・トゥローが手掛けた同名小説を基にしたアメリカの映画です。この作品は、法律と人間関係の倫理、そして裏切りがもたらす悲劇的な結果を描いたサスペンススリラーとして、多くの観客から支持を受けました。

あらすじ

物語は、地方検事補のラスティが主人公です。彼は職場では真面目で堅実な性格で知られ、家庭では愛情深い夫であり、良き親でもあります。彼の妻、バーバラはかつて優秀な数学者として名を馳せていましたが、結婚生活のためにその道を断念し、現在は主婦として家事や育児に専念しています。ある日、ラスティは上司から、児童虐待案件を担当する若手女性補佐のキャロリンのサポートを求められます。

キャロリンは情熱的で魅力的な女性であり、正義感に溢れた性格がラスティの心を掴みます。二人は共に児童虐待の容疑者を追い詰め、見事に立件に成功しますが、その過程でラスティはキャロリンと関係を持ってしまいます。しかし、キャロリンはラスティが自らの昇進に興味を持たないことを知り、あっさりと別れを告げます。ラスティは家庭があるため、その未練を断ち切らざるを得ません。

その後、キャロリンが自宅で他殺体として発見され、ラスティはこの事件の担当に命じられます。捜査が進むにつれ、キャロリンが多くの男性スタッフと密接な関係を持っていたことが明らかになるのですが、彼女は出世のためにそれらの関係を利用していたのでした。

事件の急転直下

ラスティが捜査を進める中、予期せぬ展開が待っています。ラスティ自身が逮捕される事態に直面するのです。キャロリンの血液からの鑑定によって、彼女の体内に残された精液がラスティと同じ血液型であることが発覚します。また、現場に残されたタンブラーからは彼の指紋が見つかります。この事実により、捜査の主導権が一転し、ラスティは被疑者となってしまいました。

キャストとスタッフ

映画の演出を担ったのはアラン・J・パクラ監督で、製作にはシドニー・ポラックが名を連ねています。また、日本では2021年1月20日にWOWOWにて、特別版が放送されました。これには、地上波放送時にカットされたシーンが新たに録音され、故人の声優に代役が充てられた部分もあります。

この作品は、人物の心理描写や緊張感あふれる展開が評価され、法廷ミステリーの名作として位置付けられています。観客は、ラスティの視点を通じて、真相と彼自身の無実を証明しようと奮闘する姿を見守ることになります。映画『推定無罪』は、観る者に多くの考察を残す深い作品であると言えるでしょう。

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