支配下選手登録

支配下選手登録について

支配下選手登録とは、日本野球機構（NPB）および日本女子ソフトボールリーグにおいて、プロ野球チームや社会人ソフトボールチームが特定の選手と締結した独占契約の状態を指します。この登録により選手はチームの一員として認められ、公式戦に参加する義務を果たすことになります。

一般的には、一軍選手と二軍選手を含む、チームに所属するすべての選手を指し、「支配下登録」とも呼ばれます。支配下選手登録から選ばれた選手が出場選手登録され、一軍選手として試合に出場します。一方、出場選手登録されない選手は二軍に位置づけられ、さらに下には育成契約選手が存在します。

支配下選手登録の義務と制限

支配下選手として登録された選手は、契約期間中に特定の試合、例えば優勝をかけたペナントレース、オールスターゲーム、プレーオフや日本シリーズに参加する義務があります。これは日本人選手に限らず、外国人選手にも適用されます。

1965年にドラフト制度が導入され、最大60人の支配下選手が認められるようになりましたが、実際には多くの球団が60人を超えて選手を保有していました。このため、契約を解除する選手や練習生、ドラフト外入団の選手が存在し、球団は選手保有の方法を工夫してきました。1992年以降、練習生の保有も禁止され、代わりに最大70人の支配下選手が認められるようになりました。

トレードと契約更新

トレードが実施される際は、元の球団からの支配下選手登録が抹消され、新しい球団で登録されます。2007年まではトレードの期限が6月30日であり、この直前に駆け込みで選手が移動することが多く見られましたが、現在では7月31日までに延長されています。シーズンオフでは契約更改前のトレードが契約保留権の譲渡を意味します。

11月30日には次年度も契約を更新する選手が公示され、1月10日までに契約を更新しなければ保留手当を受け取る権利が生じます。ただし、選手によっては契約更新がなされず、長期間契約の締結が行われない場合もありました。

制限選手制度

選手が個人的な理由で活動を休止する際、球団はその選手を「制限選手」として扱うことができます。これにより、その選手は他球団でのプレーや移籍を制限され、年俸も減額されます。この制度は、2000年の「日米間選手契約に関する協定」により導入され、MLBとの整合性を保っています。制限選手名簿に登録されることで、復帰条件が明示され、選手の状態を管理することができます。

制限選手に関する適用例

例えば、2021年には福岡ソフトバンクホークスの育成選手が他国のリーグに移籍する事例がありましたが、育成選手には制限選手制度が適用されないため、球団は対策を講じることができませんでした。これにより、選手の移籍や契約に関する制度が球団運営においてどのように機能するかが問われています。

まとめ

支配下選手登録の制度は、プロ野球選手の登録、契約、移籍、トレードなどに関連する重要な枠組みです。この制度における制限や義務は選手、球団、リーグ全体に影響を与え、平成から令和にかける日本のプロ野球を支える基盤となっています。

もう一度検索