改正メルカリ震度階

改正メルカリ震度階について

改正メルカリ震度階（MMまたはMMI）は、地震の揺れの強さを表現するための指標です。この指標は、地震が発生した際に人々がどのように揺れを感じたか、また地表の建物や構造物に与える影響を考慮して設計されています。改正メルカリ震度階は、世界各地で使用されている震度階級の一つであり、日本における気象庁の震度階級と同様の役割を果たしています。

この震度階級は、1873年に考案されたロッシ・フォレル震度階を基に、1884年にイタリアの火山学者ジュゼッペ・メルカリによって開発されました。当初は10段階でしたが、1902年にアドルフォ・カンカーニによって12段階に改正され、1906年には再度メルカリによって修正が行われました。その後、アウグスト・ハインリッヒ・シーベルグがこの震度階級を再整理し、これを総称してメルカリ・カンカーニ・シーベルグ震度階（MCS）と呼ぶようになりました。

さらに1931年には、アメリカの地震学者であるハリー・ウッドとフランク・ニューマンが別の改正を行い、メルカリ・ウッド・ニューマン震度階（MWN）が提唱されました。現在ではMCSかMWNが使用され、総じて改正メルカリ震度階として知られるようになりました。特にアメリカで広く利用されており、地震情報を提供する際の基盤となっています。

改正メルカリ震度階は、過去の地震による被害状況をもとに、どの程度の損害が発生したかを明確に示すために作られています。日本の気象庁震度階級のように、具体的な計器による観測に基づいて定義されているのではなく、人間の感覚や周辺の状況に基づいて判断が行われます。小さな揺れに関しては人々の感じる揺れの大きさに基づいて評価される一方、大きな揺れが発生した場合には、地形や植生、その地域の建物の損壊状況などが考慮されます。

また、アメリカ地質調査所（USGS）が提供する地震情報では、MM震度分布図である「シェイクマップ」が使用されています。このマップでは、地震の影響を最大速度（PGV）や最大加速度（PGA）をもとに算出し、地域ごとの震度情報が示されます。この震度情報は、場所や地震の条件により変動するため、震度の評価には様々な要素が考慮されます。

改正メルカリ震度階の特長として、マグニチュードとの相関が挙げられます。地震の振動の強さはマグニチュードだけでなく、震源の深さ、地形、震源から距離などの要因によっても大きく左右されます。例えば、2011年にアルゼンチンのサルタで発生したマグニチュード4.5の地震は、深さ164kmで震度はIでしたが、1865年にイングランドで発生したマグニチュード2.2の地震は、深さ約1kmで震度はVIII(8)という結果が出ています。これにより、改正メルカリ震度が必ずしもマグニチュードと比例するわけではないことが確認できます。

関連項目

• - 気象庁震度階級: 日本で使用される震度階級で、1884年に初めて制定され、1996年以降は10階級となりました。
• - ヨーロッパ震度階: 欧州で用いられており、1988年に12階級が提唱されました。
• - 中国震度階級: 中国における震度階級で、1980年に12階級が形成されました。

改正メルカリ震度階は、地震が引き起こす影響を多角的に分析し、より的確に市民に情報を伝えるための重要な指標です。

もう一度検索