救援派

救援派（クウォンパ）について

救援派、またはその別名クオンパは、カルトとされる宗教団体で、主に韓国において独自の教義を展開しています。2014年に発生した韓国の旅客船セウォル号沈没事故に関連する教団として広く知られるようになりました。この事故の実質的なオーナーが、救援派に所属するキリスト教福音浸礼会の代表であったため、その流派が世間の注目を集めました。

歴史的背景

救援派の起源は1960年代にさかのぼります。この時期、大邱を拠点にオランダ人宣教師ケイス・グラス氏とアメリカ人宣教師ディック・ヨーク氏が活動していました。1962年、権信燦（コン・シンチャン）が自己の教会を設立したことが、救援派の始まりとされています。その後、教団内で分裂が起こり、現在幾つかのグループに分かれています。

主な派閥

• - キリスト教福音浸礼会: 権信燦を初代代表とし、現在は兪炳彦が代表を務めています。推定信徒数は2万人で、ソウル特別市の竜山区に本部があります。
• - 命の御言葉宣教会: イ・ヨハン（李福七）が代表。このグループも推定信徒数約2万人とされています。
• - グッドニュース宣教会: 代表は朴玉珠です。

これらの団体はそれぞれ異なる教義や活動方針を持ちながら、救援派という大きな枠組みの中で存在しています。

教義の特徴

救援派の教義には、一般的なキリスト教とは異なる独自の解釈が存在します。特に以下の点が指摘されています。

1. 「救い」の理解: 救援派は真の救いが「救いを悟る」ことで得られると教えています。このため、多くのクリスチャンは自らが救われていない可能性があるとされています。
2. 悔い改めの否定: 救われた者の罪は存在しないため、悔い改める必要はないと主張しています。自分を罪人とみなす信者は、死後地獄に行くとされています。
3. 「義人」としての告白: 救援派は天国は義人が行く場所であり、信者は「私は義人だ」と自ら宣言すべきだと教えます。このように、「義人」との自己認識を強く求められます。
4. 律法の撤廃: 教団内では律法が完全に撤廃されているとされ、犯罪行為（盗み、殺人、姦淫など）を犯しても罪にはあたらないとの立場です。

影響と注目

このような独自の教義により、救援派は社会的に物議を醸す存在となっています。特にセウォル号の沈没事件との関連から、その信者や活動についての関心が高まっています。また、それに伴い教団の安全性や信者への影響についての議論も活発に行われています。

救援派は歴史的な背景を持ちながらも、その教義や信念が伝統的な宗教観から大きく逸脱しているため、社会的な理解を得ることが難しい状況に置かれています。今後もこの団体がどのように進化していくのか、多くの人々が注目しています。

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