救難消防車

救難消防車（きゅうなんしょうぼうしゃ）

救難消防車は、陸上自衛隊が保有する空港用特化型の消防車であり、特に航空事故に迅速に対応するために設計されています。この車両は主にヘリコプターの事故現場に出動し、火災を消し止めたり搭乗員を救出する役割を担っています。

この消防車の進化に関しては、従来型の救難消防車I型に続き、より大型で機能的な救難消防車II型が登場しています。II型は水槽の容量が従来の倍以上に拡大され、効率的な消火活動を可能にしました。特に注目すべきは、2011年の福島第一原子力発電所事故において、このII型が放水作業に活躍した点です。このように、Ⅱ型は災害現場における燃料火災や爆発の危険から、人命を救うための重要なツールとなっています。

さらに、2013年からはアメリカ製のオシュコシュ社が製造したグローバル・ストライカーが輸入され、これを基にした5000L級の救難消防車IB型が新たに配備され始めました。このIB型は、陸上自衛隊だけでなく航空自衛隊や海上自衛隊でも運用されており、一層柔軟で広範な活動が可能となっています。

機能と装備

諸元

• - 全高: 3,350mm
• - 全長: 8,160mm
• - 全幅: 2,495mm
• - 最高速度: 約100km/h
• - 出力: 310ps
• - 全備重量: 8,980kg
• - タンク容量:

- 水: 約1,900L
- 化学剤: 約120L

• - 噴射時間（化学剤）: 約3分
• - 化学剤到達距離: 約40m

製作に関する情報

• - 車体: 東急車輛製造
• - シャーシ: 日産ディーゼル
• - 発泡装置: 深田工業
• - 加温装置: 五光製作所
• - ポンプ装置: ジーエムいちはら工業

オシュコシュ社製グローバル・ストライカーの国内仕様に関しては、第一実業株式会社が輸入した後、日本機械工業株式会社にて改修されています。

諸元（IB型）

• - 水タンク容量: 7,600L
• - 放水量: 4,700L/min
• - 乗車人数: 5名

救難消防車の重要性とその設備は、航空事故のリスクが常に存在する現代において、特に大きな意味を持っています。これらの車両は、迅速な出動と効果的な救助を可能にし、国民の安全を守る重要な役割を果たしています。今後も、防災と救助の力を向上させるために、さらなる技術の進化が期待されます。

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