教士

教士（きょうし）とは

教士は、武道の称号の中で中位の位置に位置づけられています。その上に「範士」という最高位が存在し、下には「錬士」という位置づけがあるため、教士はそれらの間に位置する重要な称号となります。教士号を獲得するためには、取得した武道の名称に基づいて表記され（例：「剣道教士」）、段位も伴います（例：「教士七段」）。

教士の歴史と発展

教士の称号は、1902年（明治35年）に大日本武徳会によって定められました。この団体は日本の武道を総括する組織であり、剣道、弓道、柔道など多岐にわたる武道に従事する者に教士号を授与しました。その後、1946年（昭和21年）に大日本武徳会が解散された後も、全日本[[剣道連盟]]や全日本弓道連盟などの団体がその称号を継承し、授与を続けています。

しかし、教士の称号は法律的な根拠をもたないため、様々な団体が独自の基準で教士号を授与しており、その中には個人が自称で名乗るケースも見受けられます。これからの教士の制度は、民間資格としての性格を持つことが特徴的です。

教士号の基準と要件

教士号を授与するための基準は、各団体によって異なります。例えば、全日本[[剣道連盟]]の場合、教士号を得るには、まず以下の条件を満たす必要があります。
1. 剣理に熟達していること
2. 錬士七段を取得し、さらに2年の修練を経ていること
3. 加盟団体から推薦されていること
4. 武道実技の修練を続けていること
5. 指導者としての社会的識見を持ち、健全な社会生活を営むこと
6. 教士として必要な知識や技術についての能力を認定されていること

さらに、合格するためには筆記試験にも合格する必要があり、具体的には日本剣道形、審判法、指導法についての小論文の提出が求められます。これは、教士として十分な技能と識見を備えていることを確認するための重要なステップです。

教士号の種類

教士は武道の種類ごとに授与されており、全日本[[剣道連盟]]では剣道、居合道、杖道に対して、全日本弓道連盟では弓道に対して、全日本空手道連盟では空手道に対してそれぞれ独自の基準で教士号を与えています。また、それぞれの団体で求められる要件は異なるため、武道を学ぶ人にとっては、自身が目指す道に応じた取組みが必要になります。

教士号は武道の認定システムの一部を成しており、その称号を持つことは高い技術と知識の証しです。武道を深く学ぶ者にとって、教士を目指すことは一つの大きな目標となるでしょう。

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