敬宗 (唐)

敬宗（けいそう）は、唐朝の第16代皇帝であり、穆宗（ぼくそう）の長男として知られています。彼の生涯は、若くして皇帝の座についたものの、政治的な陰謀と個人的な苦悩に満ちたものでした。

敬宗は12歳で景王（けいおう）に封じられ、翌年には皇太子となりました。穆宗の崩御後、16歳という若さで皇帝に即位します。しかし、その即位に際しては、宦官（かんがん）から幼少であることを理由に、郭太后（かくたいごう）による摂政（せっせい）が要請されました。郭太后は宰相（さいしょう）による輔弼（ほひつ）を命じ、前漢（ぜんかん）から続いていた外戚政治（がいせきせいじ）に終止符を打ちました。

しかし、敬宗が用いた人材は、宦官の王守澄（おうしゅちょう）と結託した李逢吉（りほうきつ）でした。彼らは敬宗が幼少であることを利用して、政敵を一掃しました。粛清された官僚が無実であったことを穆宗の手文庫（てもんこ）から知った敬宗は、朝政（ちょうせい）から距離を置くようになり、ポロや角力（すもう）、夜猟（やがり）などの遊興（ゆうきょう）にふけるようになりました。

敬宗は角力を好み、臣下から多くの力士（りきし）が献上されました。力士たちは皇帝の寵愛（ちょうあい）を利用して、宦官たちを迫害しました。これに不満を持った宦官の劉克明（りゅうこくめい）らによって、敬宗は寝所（しんじょ）で暗殺されました。享年19歳という若さでした。

敬宗の宗室（そうしつ）には、側室（そくしつ）として郭貴妃（かくきひ）がいました。また、長男の李普（りふ）（悼懐太子（とうわいたいし））、四男の李言揚（りげんよう）がいました。生母不詳の子女としては、次男の李休復（りきゅうふく）、三男の李執中（りしっちゅう）、五男の李成美（りせいび）がいました。

敬宗は、その短い生涯の中で、政治的な駆け引き、人間関係の複雑さ、そして個人的な苦悩を経験しました。彼の人生は、唐朝の歴史における一つの悲劇として語り継がれています。

登場作品
* 皇帝と私の秘密〜櫃中美人〜（2018年、中国、演：王天斉）

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