敷根立頼

敷根立頼（しきね たつより）

敷根立頼は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけての武将で、薩摩藩士として活躍しました。島津氏の庶流である島津忠長の三男として生まれましたが、大隅国の国人である敷根氏を継ぎ、その名を歴史に刻みました。

生涯

1598年、敷根氏15代当主の敷根頼元が慶長の役で戦死した際、後継者がいなかったため、翌1599年、立頼は主命により頼元の娘婿となり、敷根家の家督を継承しました。同年8月には、田上から高隈へと移封されています。

1610年、立頼は実父の代理として1年間江戸に人質として滞在しました。翌年帰国する際には、徳川家康から太刀、脇差、青毛の馬、衣服などを賜るという栄誉を受けました。また、1613年には実兄である久元から500石の加増を受けています。1614年には高隈の在番から鹿児島での勤務を命じられ、その冬には高隈から市成へと移封されました。その後は、串良、伊集院、大口などの地頭を歴任し、各地でその手腕を発揮しました。

1616年に徳川家康が死去した際には、駿府にいた立頼は、伊勢貞昌と共に家康の遺品である衣服を5着ずつ拝領しました。このことは、彼が幕府からも信頼されていたことを示しています。

1627年、立頼は43歳でこの世を去りました。家督は嫡男である頼国が継ぎましたが、頼国も6年後に後継ぎを残さずに早世してしまいます。そのため、名跡は次男である久頼の系統が受け継ぎ、後に島津姓を許されて市成島津家として存続することとなりました。


敷根立頼は、島津氏の一族として、また敷根家の当主として、激動の時代を生き抜いた人物でした。彼の人となりや功績は、今日においても語り継がれています。

参考文献

『本藩人物誌』 鹿児島県史料集（13）（鹿児島県史料刊行委員会）
稲葉行雄　『「さつま」歴史人名集』（高城書房出版）ISBN 4-924752-28-2

もう一度検索