文殊寺 (熊谷市)

文殊寺（もんじゅじ）

埼玉県熊谷市野原に位置する文殊寺は、曹洞宗の重要な寺院であり、山号は五台山です。この寺院は「野原の文殊さま」や「知恵の文殊寺」として地域住民に親しまれています。また、この寺は「京都の切戸文殊」や「山形の亀岡文殊」とともに、「日本三体文殊菩薩」の一つとしても知られています。

歴史

文殊寺の起源は1481年（文明13年）まで遡ります。この年、当時の天台宗の寺院「五台山能満寺」が焼失しました。その翌年には、能満寺の再建を目指して、文殊寺が開山されました。開山したのは崇芝性岱（そうししょうたい）であり、開基は高見城城主の増田四郎重富として名を残しています。以降、文殊寺は地元の信仰を集めながら、長い歴史を持つ寺院となりました。

建物

文殊寺にはいくつかの重要な建物があります。

• - 本堂: 現在の本堂は1958年（昭和33年）に、当初の観音堂の一部を転用する形で再建されました。
• - 山門（仁王門）: この門の詳細な建立時期は不明ですが、江戸中期の建築様式に属しているとされています。熊谷市からは文化財に指定されています。
• - 鐘楼門: 現在の鐘楼門は1901年（明治34年）に再建が行われたものです。

寺宝

文殊寺には数多くの貴重な寺宝があります。

• - 芭蕉翁塚: 著名な俳人、松尾芭蕉を顕彰するための塚です。
• - 芭蕉翁碑: 芭蕉に関する句や業績が記されています。
• - 聖徳太子の塔: 聖徳太子を祀る塔です。
• - 地蔵菩薩半跏像: 地蔵菩薩の像で、信仰を集めています。
• - 増田四郎重富の五輪塔: 増田四郎重富を記念する塔です。
• - 歴代住職の墓塔: 歴代住職の墓が存在します。
• - 常新灯: 何か特別な意味を持つ灯です。
• - 八菩薩像: 8体の菩薩像が並んでいます。
• - 金子兜太氏の句碑: 現代の俳人による句が刻まれています。

交通アクセス

文殊寺へのアクセスは、JR・秩父鉄道の熊谷駅南口から国際十王バスを利用するのが便利です。バス「文殊様」停留所下車すぐ、または「立正大学」停留所から徒歩8分です。さらに、東武東上線の森林公園駅北口からも国際十王バスを使用して「文殊様」停留所直通の便があります。

このように、文殊寺は歴史と信仰が交差する場所として、多くの人々に訪れられています。

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