斉藤実 (警察官僚)

斉藤 実について

斉藤 実（さいとう みのる、1961年12月9日生まれ）は、日本の警察官僚であり、第96代警視総監として広く知られています。

学歴と職歴

1985年に東京大学法学部を卒業後、同年に警察庁に採用され、さまざまな役職を歴任しました。最初は香川県警察本部で警備部公安課長として勤務し、その後、広島県警察本部で警備部公安第一課長に就任。さらに、警察庁で人事課の課長補佐や第七機動隊長を務めました。

その後も、警察庁の交通局や警備局で重要な役割を果たし、さまざまな地域の警察本部長を歴任。特に神奈川県警察本部長や警視庁副総監としての経験が際立っています。また、国税庁、外務省、内閣官房などに出向し、国税実査官や在イタリア日本国大使館の一等書記官としての経験も持っています。

2020年の1月には第96代警視総監に就任し、その任期中には2020年東京オリンピック・パラリンピックの警備を指揮するとともに、中国や北朝鮮に関する情報収集体制の強化にも取り組みました。彼は2021年9月に退官し、翌年にはみずほ銀行の顧問に就任しました。

主な業績とエピソード

斉藤氏は国際連合の平和維持活動に関与し、1992年にはカンボジアへの自衛隊派遣に携わりました。また、1995年にはオウム真理教総本部への家宅捜索を指揮し、その際、緊迫した状況での指揮官としての役割について後に「前に立つのは自然な所作」と振り返っています。

また、東北地方太平洋沖地震発生後には現地に入り、被災者に寄り添う警察官の姿を見て、警察の原点である「強さと優しさ」を再認識しました。これらの経験から、彼は警備のエキスパートとして認識され、2000年のG8首脳会議や2002年のFIFAワールドカップなど、大規模なイベントの警備を担当してきました。

さらには警視庁副総監として即位の礼などの重要な行事に対応し、彼の指導力と判断力は高く評価されています。

趣味

彼は小説家の今野敏の大ファンであり、特に『隠蔽捜査』シリーズに登場するキャラクター・佐藤実のモデルとされていることも注目されています。また、今野氏とは神奈川県警察本部長時代に面談する機会があり、作品における警察官の描かれ方に感動を覚えたとのことです。彼の好きな小説は今野氏の作品にとどまらず、幅広いジャンルにわたります。

まとめ

斉藤実は、そのキャリアを通じて、警察の強さと優しさを基に多くの重要な役割を果たしてきた人物です。彼の経験は、警察内外での信頼を築く要因となっており、今後も彼の活躍に注目が集まるでしょう。

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